RMANによるバックアップの構成独学! ORACLE MASTER Gold 11g講座(3)(2/2 ページ)

» 2011年01月14日 00時00分 公開
[岩沢百合子システム・テクノロジー・アイ]
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RMANによるバックアップの構成

 バックアップ最適化の構成により、同じファイルがすでにバックアップされている場合、backupコマンドでは、その対象ファイルをスキップします。同じファイルとは、どんなものでしょうか? 例えば、読み取り専用表領域などが該当します。読み取り専用表領域は、ヘッダを含む一切の更新がないわけですから、毎回バックアップを取得する必要はありません。設定方法は次のとおりです。

RMAN> show backup optimization;
db_unique_name ORCLのデータベースにおけるRMAN構成パラメータ:
CONFIGURE BACKUP OPTIMIZATION OFF; # default
RMAN> configure backup optimization on;
新しいRMAN構成パラメータ:
CONFIGURE BACKUP OPTIMIZATION ON;
新しいRMAN構成パラメータが格納できました

 ただし、スキップする要件は保存ポリシーなどが影響してきます。

自動チャネル割り当て

 RMANからOSリソースに対するアクセスにはチャネルが必要です。チャネルについては自動チャネル割り当てをしておけば、明示的にチャネルを割り当てる必要はありません。

 自動チャネル割り当ては永続設定で構成します。デフォルトでは、ディスクに対して1つのチャネルが起動する構成です。なお、手動チャネル割り当ての場合、RUNブロックの中でチャネルを割り当てます。

 下記は、手動チャネル割り当てでC1チャネルを割り当て、データベースをバックアップする例です。

RMAN> RUN{
2> allocate channel c1 device type disk;
3> backup database;
4> }

 では、確認問題で復習をしましょう。

確認問題

 次の構成をご確認ください。

RMAN>CONFIGURE RETENTION POLICY TO REDUNDANCY 3;
RMAN>CONFIGURE BACKUP OPTIMIZATION ON;

問題1

contents表領域は、読み取り専用表領域です。取得されるバックアップの数はいくつでしょうか?

a.1

b.2

c.3

d.4

e.バックアップを取得した数分

正解:d

●解説

 問題では、バックアップ最適化が構成されているため、読み取り専用表領域のバックアップは、すでに取得済みのバックアップがあればスキップされます。ただし、バックアップ最適化のスキップ用件には保存ポリシーも影響します、この場合、冗長数+1のバックアップが保持され、その後スキップ対象となります。よって、「4つのバックアップが保持される」が正解です。


問題2

RMAN>CONFIGURE DEVICE TYPE DISK PARALLELISM 2 BACKUP TYPE TO BACKUPSET;
RMAN> RUN{
2> allocate channel c1 device type disk;
3> backup database;
4> }

上記を実行した場合、起動するチャネルの数はいくつでしょうか? 正しいものを選びなさい。

a.自動チャネルが優先的である。よって、自動チャネルが2つ起動する

b.手動チャネルが優先的である。よって、手動チャネルが1つ起動する

c.自動チャネルが2つ、手動チャネルが1つ起動される。よって計3つのチャネルが起動する

d.自動チャネルが構成されているにもかかわらず、手動チャネル割り当てをしているためエラーになる

正解:b

●解説

 問題の構成では、自動チャネル割り当てにて、並列性2が構成されています。これは、「PARALLELISM 2」という点で分かります。そして、手動チャネル割り当てで1つのチャネルを割り当てデータベース全体のバックアップを取得しています。この場合、手動チャネル割り当てが優先的に動作するため、1つの手動チャネルが起動します。

 よって、「手動チャネルが優先的である。よって、手動チャネルが1つ起動する」が正解です。なお、手動チャネルと自動チャネルが両方起動することはありません。また、エラーになることもありません。


問題3

 制御ファイルの自動バックアップに関する説明として正しいものをすべて選択しなさい。

a.1日1回決まった時間にバックアップが取得される

b.バックアップ取得時およびデータベースの物理構造変更時に、自動バックアップが取得される

c.バックアップ取得時および初期化パラメータ変更時、物理構造変更時に、自動バックアップが取得される

d.制御ファイルおよびSPFILEがバックアップされる

e.制御ファイルのみがバックアップされる

f.バックアップ場所を指定しなかった場合、$ORACLE_HOME/dbsにバックアップされる

g.バックアップ場所を指定しなかった場合、フラッシュリカバリ領域にバックアップされる

正解:b、d、g

●解説

 制御ファイルの自動バックアップを有効化すると、バックアップ時および物理構造変更時にバックアップが自動的に取得されます。なお、初期化パラメータを変更してもバックアップは取得されません。

 また、バックアップ対象は制御ファイルに加え、SPFILEがバックアップされます。

 バックアップ場所を指定していない場合、フラッシュリカバリ領域に取得されます。ただし、フラッシュリカバリ領域の構成がない場合、$ORACLE_HOME/dbsに取得されます。明示的にバックアップ場所を指定したい場合には、永続設定「CONFIGURE CONTROLFILE AUTOBACKUP FORMAT FOR DEVICE TYPE DISK TO '%F';」で設定します。%Fの個所でディレクトリを設定します。なお、%Fは必須です。 例:CONFIGURE CONTROLFILE AUTOBACKUP FORMAT FOR DEVICE TYPE DISK TO '/backup/autocontrol/%F';


著者紹介

岩沢 百合子

Oracle認定講師。データベース管理コース全般を担当し、主にパフォーマンスチューニング系のコースを受け持っている。日本オラクルより、Oracle University Excellent Instructor(2007年)、Oracle University Excellent Instructor(2006年)を受賞。また、『オラクルマスター教科書Gold Oracle Database11g編』を執筆。



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