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» 2011年02月10日 00時00分 公開

正しい公衆無線LANサービスの使い方運用(3/3 ページ)

[井上孝司,著]
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公衆無線LANアクセスポイントを試す(新幹線N700系編)

 「1DAY PASSPORT」では、同じ接続手順で新幹線N700系のインターネット接続サービスにも利用できる。このとき、過去に「HOTSPOT」を利用したことがあり、その際に自動接続を有効にしていれば、ジャンプリストからSSIDを選択するだけで接続できる。ただし、接続後にWebブラウザを起動してユーザー名とパスワードを入力しなければならないのは同じだ。

 なお、N700系のネット接続サービスは速度が遅い点に留意したい。1編成全体で2Mbit/s程度の伝送能力があるが、これを同じ列車に乗ったすべてのユーザーが分け合って利用するためだ。その代わり、線路脇に設置した漏洩同軸ケーブル(LCX。信号を伝送するだけでなく、アンテナとしても機能する特殊な同軸ケーブル)を利用して通信しているため、トンネル通過中でも通信を維持できるというメリットがある。

公衆無線LANアクセスポイントを試す(FREESPOT編)

 前述のように、「FREESPOT」は無料サービスなので認証作業は必要なく、「FREESPOT」というESS-IDを持つ無線LANアクセスポイントを検索して、接続を指示するだけでよい。

「FREESPOT」の設置場所でアクセスポイントの検索・接続を行った際の画面例
「FREESPOT」のアクセスポイントは、常に「FREESPOT」というSSIDを持つ。それを探して接続を指示するだけでよい。
 (1)アクセスポイントの一覧に現れた「FREESPOT」をクリックする。
 (2)[接続]ボタンをクリックすると接続する。無料サービスなので、認証作業は必要ない。

 ちなみに「FREESPOT」の場合、アクセスポイントがルータ機能を兼用しているため、クライアントPCに割り当てられるのはプライベートIPアドレスになる。

 また、無料サービスでは利用可能な機能に制約を課している場合がある。例えば、中央道の某サービスエリアでは「FREESPOT」からSMTPによるメール送信を行えなかった(SPAMメール送信に悪用される事態を防ぐためだろう)。別の「FREESPOT」設置場所では利用状況の監視に加えてアクセス可能なWebサイトの制限を行っており、例えばTwitterを利用できなかった。無料サービス故に悪用のリスクが大きくなるため、こうした制約が生じるのは致し方ない部分もある。このほか、機器の設定ないしは機能の問題と思われるが、過去の利用経験ではPPTPによるVPN接続を行えないこともあった。

サービス利用時の注意点

 有料・無料を問わず、不特定多数のユーザーが同じアクセスポイントを共用している点に違いはない。つまり、自分のPCから外はインターネットと同様の「火事場」と考えて、セキュリティ対策を施す必要がある。

 まず、不正侵入防止のためにファイアウォール機能を有効にする必要がある。Windows XP SP2以降はファイアウォール機能を標準装備しており、さらにWindows Vista/7では新しくネットワークに接続した際に表示する画面で[パブリック ネットワーク]を選択することで自動的に不正侵入防止策を講じてくれるが、これらの選択を間違えたのでは意味がない。

Windows 7の「場所の設定」機能
Windows VistaとWindows 7では、新しく接続したネットワークに対して「場所の設定」を行う仕組みが加わった。公衆無線LANサービスでは安全性を考慮して、[パブリック ネットワーク]を選択する必要がある。
 (1)公衆無線LANサービスでは、[パブリック ネットワーク]を選択する。

 またフォルダ共有を行っている場合には、それが不正侵入の温床になる可能性がある。読み出し専用/読み書き可能のいずれを問わず、誰でも自由に接続する設定にするのではなく、特定のユーザーだけがアクセスできるような設定にしておくべきだ。

 そのほか、無線LANの暗号化規格としてWEP(Wired Equivalent Privacy)を利用している場合が多い点に注意が必要だ。これは、対応可能な機器/OSの種類に関する制約を減らすためだろう。すでによく知られているように、WEPの安全性はWPA(WiFi Protected Access)と比較すると大きく見劣りする。安全性を重視するのであれば、認証/暗号鍵の配布/端末認証の堅固さといった観点から、IEEE 802.1X認証を利用するサービスの利用を検討したい。


 公衆無線LANサービスが最初に話題になり始めたころと比較すると、近年ではアクセスポイントの数が大幅に増えているので、都市部で利用する限りにおいては使える場所も意外と多い。しかも、利用料金は安価になっており、使用に関するハードルが下がっている。

 そのため、自分の行動範囲や利用形態と合致するのであれば、こうしたサービスを利用することで出先でのインターネット接続手段を確保しておくと、何かと便利だろう。ただし、メリット/デメリット/注意点を踏まえて利用しなければならないのはいうまでもない。本稿が、その際の参考になれば幸いだ。

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