次はクライアント側の設定を行う。本稿ではWindows 7クライアントを例に挙げる。クライアント側で行うべきことは次の通りだ。
まず、VPNサーバに対する名前解決の設定を行っておこう。通常インターネットVPNでサーバに接続する場合は、IPアドレスではなく、VPNサーバ名+ドメイン名(FQDN名)で行うだろう。今回なら、「10.100.1.11」ではなく、「vpnserver1.example.jp」といった名前でVPNサーバを参照することになる。IPアドレスでは覚えるのが面倒というだけでなく、PPTP以外では、IPアドレスでは接続できないという問題があるからだ。
VPNサーバの名前をクライアントで名前解決するにはいくつか方法があるが、今回は一番簡単なhostsファイルで設定するという方法を紹介する。実際に運用する場合は、インターネット側からアクセスできるDNSサーバに、VPNサーバの名前とIPアドレスを登録しておくことになるだろう。
hostsファイルとは、IPアドレスとホスト名の対応を記録したファイルであり、通常は%windir%\system32\drivers\etcフォルダに用意されている。今回はのファイルに、VPNサーバのエントリ名を追加しておこう。メモ帳を管理者権限のあるアカウントで開き、hostsファイルを読み込んでエントリを追加しておく。
名前を追加後、「ping vpnserver1.example.jp」などとして、正しくIPアドレスが引けているかどうかを確認しておく(pingに応答があるかどうかは、サーバ側の設定次第なので、ここでは触れない)。
正しくVPNサーバの名前が引けたら、次はVPNサーバに接続するための「ネットワーク接続」を新規作成する。[コントロール パネル]で[ネットワークと共有センター]を開き、[新しい接続またはネットワークのセットアップ]というリンクをクリックする。
次の画面では接続方法を指定する。今回はVPNを使用する方を選択する。
次の画面では接続先の情報を入力する。今回はVPNサーバをFQDN名で指定すること。このFQDN名は、前述のサーバ証明書の発行時に指定した[識別情報]−[名前]と一致している必要がある。
この次の画面で、接続に使用するユーザー名やパスワード、ドメイン名などを指定すればセットアップは完了である。ネットワーク接続の画面を開き、作成したVPN接続のアイコンをダブルクリックすれば、次のように接続するための画面が表示される。通常はそのまま[接続]をクリックすれば、利用可能なプロトコルでVPNサーバと接続されるはずである。今回の場合は、まだPPTPでしか接続できないはずだが、PPTP接続も不可能であれば、VPNサーバと通信ができているかどうかなどをチェックする。
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