この記事を書くに当たって、少しVBの開発環境を触ってみました。そこには筆者の好きな開発スタイルがありました。
Visual Studioにつながる原点の1つがVBのIDEにあったことが感じられます。GUIのフォームで画面をデザインし、その画面要素であるコントロールのイベントハンドラをコード(VB)で記述していくスタイルです。
CUIよりGUIな筆者としては、このGUI開発に慣れているという感覚はWindows Phone開発でも有用で、特にExpression Blendを用いた画面の開発ではコーディングに比べて非常に高い開発生産性(スピードと品質)を得られます。コーディングやビルドなどを担当するVisual Studioとペアで使う開発スタイルにスムーズに入っていけるのではないかと感じました。
※最初に「Expression Blendで画面を開発する」という癖を身に付けた方が、開発がしやすくなると思います。
今VB6をリアルタイムに使っている方、特に社内システムを自分で作成して自分や自分の所属部署の少人数が使っている、といった開発者の方には「Visual Studio LightSwitch」もお勧めです。
これはコードを書かずにアプリを作成するというツールです。すでに社内に業務データがあり、それにVB6などを使ってアクセスしていた人は、このLightSwitchを少し触ってみるのも面白いかもしれません。
ここまでの内容と連載第1回のWindows Phoneならではの移行ポイントを合わせて、ここでは以下の流れをお勧めします。
VB6からVB.NETへの移行ガイドなどは読む必要はありません。特に最近の技術、スマートフォン、そして来たるWindows 8の世界では、技術的先入観があればあるほど、スマートな開発ができなくなる気がしています。
最後に、本稿の執筆に当たって作ってみたVB6のHello WorldアプリをWindows 8で動かしてみたところ、普通に動いていました。最初セキュリティ警告が出るのですが、許可をするとWindows 7上のVB6 IDEで開発したデスクトップアプリがちゃんと動いていました。
Webやデスクトップ、スマートフォンといった開発プラットフォーム、.NETやJavaといった開発技術であっても年々開発スタイルが変化している昨今。ノウハウが流用できる、または流用できるノウハウをためるといったことがなかなかし難くなってきています。
むしろ、どんどん新しいものにチャレンジしていく姿勢のようなものが評価されるようになっている気がします。
ですので、たとえWindowsフォームやASP.NET、WPFなどの経験がないVB6開発者の方も、思い切ってWindows Phoneを含むスマートフォンアプリ開発の世界に足を踏み込んでみてはいかがでしょうか?
クラスメソッド株式会社 RIAエバンジェリスト
RIAやクラウドに関する技術記事執筆やセミナーの開催を通じて、先進技術の啓蒙を行う日々。Adobe AIR/Flex、Silverlight、AWS、Azure、Android、iOS、Windows Phone、UXと幅広い分野を担当
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