職種別に、職務経歴書・自己PRのサンプルを紹介。それぞれのポイントを、キャリアコンサルタントが解説します。
仮想化技術とクラウドコンピューティングが高い注目を集めているため、多くの業界でインフラに関わる新サービスの導入や、既存環境の更新に対して積極投資する傾向にあります。また、仮想化技術の台頭によって、OS環境を問わない多角的なソリューションを提供できる地場が整ったため、IT企業は以前にも増して「ソリューションの提供力」が求められています。
ITインフラ、特にサーバ/DBエンジニアにとっては、これまでの経験で得た専門性を生かし、より高度、より複雑な問題解決に挑戦するチャンスです。ハードウェア、OS、ミドルウェア、どの領域の専門性も生かせるので、積極的にアピールしましょう。
職務経歴書作成のポイントは、「専門性の高さ」、そして「複雑性への対処が可能なこと」をアピールすること。この2点に尽きます。
1.専門性には「深さ」と「幅」、2つの視点を取り入れる
これまで、何か1つの領域に特化した専門性があることが、サーバ/データベース領域におけるアピールの鉄則でした。
そのため、最も得意とする技術領域のみに絞り、検証などで少し触って性能を理解している程度の技術、最もアピールしたい案件以外で習得した技術については言及しない求職者が多いのですが、現在は専門の「幅」が大きなアピールとなる時代です。特に、クラスタウェアやWebサーバソフトウェアなど、汎用的な技術・経験も、きちんと記載しましょう。
また、「ネットワークの知識があり、通信機器の設定と簡単な障害切り分けができる」「PHPなどをインストールし、アプリケーションサーバの構築ができる」など、単体では浅いと見られそうな経験も、複数を並べれば専門性の幅があるというアピールに繋がります。職務経歴書のボリュームが1?2ページ増えたとしても、現状は盛り込むべきです。
2.複雑な問題に対処できる=即戦力のアピール
仮想化技術が進化したことで、ITインフラ領域で解決できる問題の幅、顧客の幅が広がっています。これはすなわち、ITインフラで解決でき得る問題が複雑化していることを意味します。
今、インフラエンジニアに求められているのは、「複雑な課題に対処できるビジネススキル」です。マルチベンダ、プロダクトが扱え、複雑なシステム構成に対応できる技術はもちろんアピールになります。しかし、それだけではありません。「複数の関係者間の調整を行った」「若いメンバーの育成を行った」「SLAやセキュリティポリシーの策定に取り組み、ドキュメントを納品した」「複数の調達ルートを1つに統合した」など、ビジネス側の苦労やそれを解決するための工夫も十分なアピールになります。
エンジニアはつい「技術>ビジネス」と優先順位を下げてしまいがちですが、ビジネス上の取り組みは有効なアピールとなります。何かしらのマネジメントや目標達成を経験している場合、対処できる複雑性の幅が広がるからです。一度、自身の経験を総ざらいしてみましょう。
● 提出日
提出日は、西暦に統一しましょう。
● 職務経歴
技術職以外の経歴に関しても、部署名まで必ず記載しましょう。
応募先企業や職種に沿った、実務経験での強みを記載しましょう。
● 職務経歴
<業務内容>
どの顧客向けに、どのようなシステムを導入したかを、簡潔に記載しましょう。
アピールしたい内容(苦労したことや工夫したこと、評価されたこと)を記載しましょう。
※全てのプロジェクトに対して記載する必要はありませんが、アピールしたいプロジェクトでは必ず記載しましょう。
<環境>
【OS】【DB】【ミドル・SW】【NW機器】の順に記載しましょう。
<役割/規模>
プロジェクトマネジメント/リーダー経験がある場合は要員数、予算、規模を記載しましょう。
途中から役割が変わった場合は、その時期を明記するようにしましょう。
マネジメント人数とプロジェクト要員数が違う場合は、その旨を明記しましょう。
● 取得資格
応募する業界・職種と親和性の高い資格を記載しましょう。現在、取得に向けて勉強中の資格があれば、「○○資格を×月取得に向けて勉強中」など、補足説明するとよいでしょう。
● テクニカルスキル
テクニカルスキルは、どれくらいの経験内容であるのかを、具体的な年数とコメントで記載しましょう。開発現場での経験がない場合でも、独学で習得中の技術があれば「独学で勉強中」と補足して記載しましょう。
OSは種類、言語やDBはバージョンまで記載しましょう。
※上で紹介した用語にカーソルを当てると「ワンポイント・アドバイス」を確認できます。
20××年×月×日現在
氏名:舞茸 木野子
2003年4月 株式会社○○○○ 入社 新人研修を受講
2003年7月 技術部に配属
2006年9月 株式会社○○○○ 一身上の都合により退社
2006年10月 □□□株式会社 入社
2006年10月 開発部 第×課に配属現在に至る
2003年5月 | 基本情報処理技術者 |
2003年6月 | 初級システムアドミニストレータ |
2005年2月 | CISCO CCNA |
2006年4月 | LPI Linux Level1 |
2006年9月 | Microsoft MCSE |
2006年11月 | RedHatLinux RHCT |
2007年7月 | VMware VCP310 |
2009年1月 | Microsoft MCP70-431(Hyper-V) |
2010年6月 | VMware VCP410 |
2010年8月 | EMC Proven Professional Program E20-001 Storage Technology Foundations |
2011年5月 | Juniper JNCIA-JUNOS |
2011年8月 | ORACLE MASTER Silver |
OS | Windows2003 UNIX(AIX) UNIX(HP-UX) UNIX(Solaris) Linux(RedHat) Linux(SUSE) |
3年 1年以上 1年以上 3年以上 10年以上 5 年 |
要件に応じた環境設計・構築が可能 要件に応じた環境設計・構築が可能 要件に応じた環境設計・構築が可能 要件に応じた環境設計・構築が可能 要件に応じた環境設計・構築が可能 要件に応じた環境設計・構築が可能 |
言語 | C言語 Java C# WSH(VBA) Shell Perl,PHP,Python |
3年以上 1年以上 1年以上 1年以上 10年以上 3 年 |
ソース解析から実装まで可能 オブジェクト指向方法論から実装まで可能 オブジェクト指向方法論から実装まで可能 処理の自動化が可能 処理の自動化が可能 処理の自動化が可能 |
DB | Oracle MySQL PostgreSQL SQLServer系 DB2 |
5年以上 1年 2年 1年以上 2年以上 |
インストールから運用設計・DBA業務が可能 インストールから運用設計・DBA業務が可能 インストールから運用設計が可能 インストールから運用設計が可能 インストールから運用設計・DBA業務が可能 |
その他ミドルウェア、サーバなど | OracleRAC JP1/AJS Xen HACMP(AIX) Serviceguard(HP) Veritas Cluster DataProtector Norton Ghost DRDB VMware |
2年 1年 2年 1年 1年 1年 1年 1年 1年 3年 |
冗長化構成の設計構築が可能 インストールからジョブ作成、運用設計・実装が可能 サーバ仮想化の設計構築が可能 冗長化構成の設計構築が可能 概念の理解と手順書をもとにした運用が可能 概念の理解と手順書をもとにした運用が可能 バックアップジョブ設計・実装が可能 バックアップ・リストアの方針設計と実装が可能 インストールから実装、運用設計が可能 インストールから実装、運用設計が可能 |
□□株式会社(2006年10月〜現在)
期間 | 業務内容 |
開発環境 |
役割/担当/規模 |
---|---|---|---|
2010年 │ 現在 |
仮想統合環境の運用設計 【担当フェイズ】 【業務内容】
【実績・取り組み】 |
【OS】 |
【役割】 プロジェクト要員×名 【担当】
|
2010年 │ 2011年 |
IaaS環境構築作業
【業務内容】
【実績・取り組み】 |
【OS】 |
【役割】 プロジェクト要員×名 【担当】 |
2009年 │ 2010年 |
大手銀行向けLinux系インフラ構築業務
|
【OS】 |
【役割】 プロジェクト要員×名 【担当】 |
2007年 │ 2009年 |
大手化粧品会社向けストレージシステム
|
【OS】 |
【役割】 プロジェクト要員×名 【担当】 |
2009年 │ 2009年 |
データセンタ仮想化プロジェクト 【担当フェイズ】
【実績・取り組み】 |
【OS】 |
【役割】 【プロジェクト規模】 |
2007年 │ 2008年 |
某証券会社向けフロントシステム 【業務内容】 |
【OS】 【ミドルウェア】 【NW】 |
【役割】 プロジェクト要員×名 |
2006年 │ 2007年 |
某証券会社向け取引所システム 【業務内容】 |
【OS】 【ミドルウェア】 【ネットワーク】 |
【役割】 プロジェクト要員5名 【担当】 |
○○株式会社(2003年4月〜2006年9月)
期間 | 業務内容 |
開発環境 |
役割/担当/規模 |
---|---|---|---|
2005年 │ 2006年
|
中規模金融機関向け全社システムの再構築 【担当および業務詳細】
提案フェイズから参加した長期プロジェクトであり、プロジェクトの途中からチームリーダへ昇格しメンバー管理を担当。 |
【OS】 【ミドル・SW】
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【役割】 プロジェクト要員 ×名
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2004年 │ 2005年 |
製造業向け基盤DBMS設計・構築 【担当および業務詳細】
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OS】 【DB】 【ミドル・SW】
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【役割】
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2003年 │ 2004年
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クレジット会社/CTIシステム構築 【担当および業務詳細】
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【OS】 【DB】 【ミドル・SW】
|
【役割】
|
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