●【1】BGPプロセス起動
(config)#router bgp AS番号
AS番号はルータが所属するローカルのAS番号を設定します。
●【2】ネイバーの設定
(config-router)#neighbor ネイバーIPアドレス remote-as AS番号
ネイバーIPアドレスを設定し、AS番号はネイバールータが所属するAS番号を指定します。このAS番号と【1】で設定したAS番号を比較することにより、EBGPネイバーかIBGPネイバーか判断できます。
●【3】BGPルートの生成
(config-router)#network ネットワーク番号 mask サブネットマスク
BGPルートを生成するコマンドです。IGPsのnetworkコマンドは各プロトコルをインターフェイスで有効にするコマンドでしたが、BGPのnetworkコマンドはインターフェイスでBGPを有効にするのではなく、BGPルートを生成します。そのため、あらかじめルーティングテーブルに完全一致のルート情報が必要です(IGPsやスタティックルートなどでルートを学習していることが前提です)。
サブネットマスクも含めて完全一致のルート情報がルーティングテーブルにあるとBGPルートが生成され、BGPテーブルに格納されます。その後、BGPテーブルの中からベストパス選択アルゴリズムに従い1つのベストパスが選択され、ベストパスのみがアドバタイズされます。
図3では、ISPAとISPBのルータは異なるASに属しているためEBGPネイバーです。ISPA内のルータでBGPルートを生成するため、networkコマンドを設定しています。あらかじめOSPFで192.168.2.0/24のルートを学習しています。サブネットマスクも含めて完全一致のルート情報があるため、BGPルートが生成されBGPテーブルにコピーされています。
BGPテーブル内に同じ宛先に対して複数のルートが存在している場合には、ベストパス選択アルゴリズムに従って1つのベストパスが決定されます。その後、ベストパスのみがネイバールータにアドバタイズされます。ベストパス選択プロセスについては次回解説します。
●【4】BGP確認コマンド
#show ip bgp summary
ネイバーの要約情報を表示します。
#show ip bgp neighbor ネイバーIPアドレス
ネイバーの詳細情報を表示します。
#show ip bgp
BGPテーブルを表示します。
BGPの基本設定コマンドとして適切なものを3つ選びなさい。
a.router bgp リモートAS番号
b.neighbor ネイバーIPアドレス remote-as ローカルAS番号
c.router bgp ローカルAS番号
d.neighbor ネイバーIPアドレス remote-as リモートAS番号
e.network ネットワーク番号 mask サブネットマスク
d.network ネットワーク番号 サブネットマスク
c・d・e
正解はc・d・eです。プロセスを起動するには、「router bgp ローカルAS番号」を入力します。ネイバールータを指定するには、「neighbor ネイバーIPアドレス remote-as リモートAS番号」を入力します。BGPルートを生成するには、「network ネットワーク番号 mask サブネットマスク」が必要です。サブネットマスクも含めて完全一致のルートが必要です。
グローバル ナレッジ ネットワーク ソリューション本部
齋藤理恵(さいとうりえ)
Cisco認定トレーナー。トレーナー歴は11年。マイクロソフト、サン・マイクロシステムズ、シスコシステムズなどIT業界でトレーナーとして活動。現在は、グローバル ナレッジ ネットワークで、Cisco認定トレーニングコース(CCNA、CCNP)、ネットワーク系オリジナルコースを中心に講師を担当している。グローバル ナレッジ ネットワーク講師寄稿記事一覧はこちら。
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