「メール」は、対応しているサービスの範囲内であれば、同時に複数のアカウントを登録することができる。チャームの[設定]−[アカウント]にある[アカウントの追加]でアカウントの追加を指示した際に、選択肢として提示するメール・サービスは以下のとおりである(初回起動時のアカウント追加では、メール・サービスの種類を選択する画面は現れない)。
なお、追加登録するメール・アドレスは、前述したようにMicrosoftアカウントと無関係のものでもよいが、「メール」が対応しているサービスのものでなければならない。
[A]
「メール」が対応していないサービスのメール・アドレスを入力した場合、サーバの種類を判別できないため、以下のような選択画面が表示される(ISPのメール・アドレスの場合、「メール」がメール・サーバの対応をチェックし、前述のようにPOP3をサポートしない旨の表示が行われる場合もある)。ここで適切な種類を選択して続行することになるのだが、選択肢として表示されているにもかかわらず、POP3は利用できない点に注意が必要だ。なお、IMAP4に対応しているメール・サーバの設定を登録する際の手順については後述する。
登録したアカウントの一覧は画面左下隅に現れるので、そこをクリックすることで切り替えが可能である(前掲の画面を参照)。また、後述するように、メッセージを作成しているときにアカウントを切り替えることも可能だ。
一方、アカウントの削除を行うには、チャームで[設定]−[アカウント]をクリックする。すると、登録済みのメール・アカウントの一覧が表示されるので、その中から削除したいアカウントをクリックする。この操作により、当該アカウントの設定画面を表示するので、そこで一番下に表示されている[アカウントの削除]をクリックすればよい。なお、ここではアカウント名やダウンロードするメールの期間などの変更も可能だ。
「メール」は、Hotmail、Gmail、Yahoo! Japan、Outlook以外でも、IMAP4(Internet Message Access Protocol version 4)に対応したメール・サーバであれば利用可能だ。IMAP4に対応したメール・サーバを利用する場合、先の一覧から[その他のアカウント]を選択して登録する。これも、メール・アドレスとパスワードを入力するのは同じだ。
上にある、メール・アドレスとパスワードの入力画面で[詳細を表示]をクリックすると、以下の設定画面が表示される。ここで、メール・サーバごとに決められている設定内容に従って、サーバのホスト名、ポート番号、SSL(Secure Socket Layer)使用の有無、認証に必要なユーザー・アカウントとパスワード、といった情報を確認、あるいは変更することもできる。「メール」の既定値と異なる設定を使用しているメール・サーバに接続する際には、この設定変更が必要になる。
[B]
Gmailを例にとると、IMAP4で接続する際には以下の設定が必要になる。サービスによっては、暗号化の設定が必要ない場合も考えられるが、その場合には暗号化設定の有無に加えて、ポート番号の指定も変わる点に注意されたい。
設定項目 | 設定内容 |
---|---|
受信用メール・サーバのホスト名 | imap.gmail.com |
受信用メール・サーバのポート番号 | 993 |
SSL | 使用する |
送信用メール・サーバのホスト名 | smtp.gmail.com |
送信用メール・サーバのポート番号 | 465 または 587 |
SSL | 使用する |
認証 | 必要。受信メール・サーバーと同じ設定を使用する |
氏名または表示名 | 名前として表示させたい任意の文字列 |
アカウント名またはユーザー名 | Gmailのメール・アドレス(<ユーザー名>@gmail.com) |
メール・アドレス | Gmailのメール・アドレス(<ユーザー名>@gmail.com) |
パスワード | Gmailのパスワード |
IMAP4によるGmailの設定 |
ここではGmailのIMAP4接続を例示したが、実際には、「メール」でGmailのメール・アドレスを入力すると自動的にGmailネイティブの方式で接続するため、IMAP4による接続にはならない。そのため、これはあくまで設定のための参考例として見ていただきたい。
ともあれ、上記のように設定を行って[接続]をクリックしたときに、サーバで利用可能なプロトコルの判別ができないと、ユーザーに選択を求めてくる。その際に提示する選択肢には[IMAP4]だけでなく[POP3]も存在する。ところが実際には、「POP3」を選択しても「対応していない」旨のメッセージを表示するだけなので、POP3は使えないので注意したい。
そのため、「メール」で電子メールをやり取りしようとすると、「メール」に対応したメール・サーバもしくはIMAP4に対応しているメール・サーバを確保する必要がある。自分が利用しているメール・サーバがPOP3専用の場合には、「メール」ではなく、別のメールクライアントが必要になるわけだ。
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