NECブースでは直近に発表があったNEC流垂直統合型アプライアンス「NEC Solution for Platform」の展示も見られた(関連記事)。垂直統合の利点は導入プロセスの短縮が可能なこと、パフォーマンスチューニング不要で利用できることにある。
国内大手から中堅・中小企業までを広くカバーする同社ならではの知見がセットアップされていること、サポート体制が充実していることも同製品の特徴だという。
もう1つ、展示ブースの中で注目したのが、NECが以前から注力している画像認識技術を使ったデモだ。
「現在は、大手小売業などでのマーケティング活動支援の実証実験などを進めています。来訪客の年齢や性別を入店時に把握し、マーケティングに役立てたいと考えています」(ブース説明員)
こちらはすでに主に小売系の企業での導入が進んでいる。デモでは、プライバシー保護の観点から年齢などを判定した後の画像は保存せずに、判定データのみを使って分析する様子を見せてくれた。
年齢・性別・来場頻度などといった画像認識で自動的に判定できる情報と、POSデータや交通情報などを組み合わせることで、より深い分析が可能になるという。
ネオジャパンブース内に出展していたプリファードインフラストラクチャーは、同社が得意とするテキストデータ分析や機械学習フレームワークを使ったデータ分析デモを展示していた。
同社はNTTと共同開発中である機械学習フレームワーク「Jubatus」で知られるが(関連記事)、それ以外にも、Jubatusよりも簡易に利用できるクラウドベースの機械学習分析サービス「Bazil」や、同じく機械学習を使った類似表現獲得用Webアプリケーションエンジン「Zoguma」なども提供している。
今回の展示では接尾辞配列を使った大規模分散全文検索エンジンである「Sedue」を使ったデモが中心になっていた。
接尾辞配列を使った検索は、現在一般的に使われているGoogleなどの検索と比較して、一意の文字列に完全にマッチしているデータのみを抽出するといった目的の検索で精度・速度の面で優れるという特徴があるそうだ。
「従業員規模が多く社内ドキュメント数も多いような大手企業のエンタープライズサーチなどで利用されるケースが多い」(ブース説明員)という。
現在、同社はテキストデータを対象とした分析エンジンを提供しているが、今後は大量の画像データを分析するエンジンの開発などにも注力していくという。
2011年にジャストシステムズの創業者らが設立して話題を呼んだMetamoji(関連記事)もネオジャパンブース内でデモ展示していた。
同社の手書き入力エンジンは、認識速度の速さが特徴となっている。タブレット利用を想定したエンタープライズアプリケーションが増えてきたことで、「多様な業種・業態向けのパートナーが増えてきた」(ブース説明員)という。
事例としては料理教室、訪問販売などのほか、建築・土木作業員向けの帳票入力などが紹介されていたが、直近では医療機関向けの納入が増えているという。
「医療系の中でも、診察室の中だけでなく、例えば訪問看護などの場合にはタブレットによる入力は非常に便利。現在はニーズに即して、医療機関向けの独自辞書提供も行っている」(同)という。
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