日本ヒューレット・パッカード、Autonomy事業に関する記者説明会を開いた。バックアップ事業の2012年度成長率は約70%で、市場成長率を大きく上回ったことを明らかにした。
日本ヒューレット・パッカード(HP)は6月28日、2011年に米HPが買収したAutonomy事業に関する記者説明会を開き、同社のバックアップ事業の2012年度成長率は約70%で、同社が約5%程度と見ている市場全体の成長率を大きく上回ったことを明らかにした。2013年度も、この成長率を維持拡大することを目標とするとしている。
このような高い成長率の要因として、日本HPのインフォメーション・マネジメント統括本部で統括本部長東アジア担当を務める春木菊則氏は、「バックアップの処理性能が高いことに加えてコストを抑え、価格対性能比を高めたこと」を挙げた。「当社の製品では、バックアップ対象とするサーバに導入するエージェントの単位では課金していないので、バックアップ対象サーバの数が増えても追加コストは発生しない。それに対して他社製品の多くは、エージェント単位で課金する価格体系が多い」(同氏)。
さらに、「当社のストレージ製品と組み合わせて利用すると、バックアップの際の重複排除機能を、バックアップ対象サーバやバックアップサーバに加えて、ストレージ装置でも実施できる。ネットワーク回線の伝送速度が低い場合には、重複排除処理を実施してからバックアップサーバにデータを転送した方がバックアップ時間を短縮できるなど、顧客のシステム構成に応じて最適な位置で重複排除処理を実施できるのが強みだ」(同氏)。
一方、米HPのAutonomy Information Management、Enterprise Data ProtectionでSenior Vice President & General Managerを務めるDavid Jones氏は、「自然災害やコンピュータウイルスへの感染、ハードウェアの故障、ユーザーの誤操作によるファイル消失などから、データを保護することへの関心は高まっている。コンプライアンスの点でもデータ保護が重要だ。全世界で1秒当たり、1億6800万通の電子メールが送信され、69万9000回のWeb検索が実施されるなど、合計1.8Tバイトのデータが増加している。2〜3年でデータ量は倍増する計算になる。バックアップ処理性能がそのままであれば、データ量が2倍になればバックアップにかかる時間も2倍になる」とし、バックアップの処理性能の高さに対する重要性を訴えた。
併せて、バックアップソフトウェアの新版「HP Data Protector 8」(英語版)を2013年6月末に日本でも販売開始したことを明らかにした。日本語版は同年9月に発売する予定。最大1兆個のファイルと最大5000台のバックアップ対象サーバを扱え、バックアップ速度は最大140TB/時であることが特徴。なお、Autonomyの買収に伴う事業統合は、北米地区で2013年1月に、その他の地域では同年6月に完了したとしている。
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