以上で準備は完了したので、さっそく端末を探してみよう。PCのWebブラウザで次のURLを開いてほしい。
ログインが求められるので、端末に登録したGoogleアカウントでログインする。最初に「現在地データの使用をAndroidデバイスマネージャーに許可」というダイアログが表示されるので、メッセージを確認してから[承認]ボタンをクリックする。するとブラウザ・ペインにマップと端末にかかわる情報が表示される。これがAndroidデバイス・マネージャの操作画面である。端末の位置情報が正常に取得されていれば、自動的に端末の現在地がGoogleマップでおなじみのピンか、あるいは青紫色の円で指し示されるはずだ。
端末が移動していると、端末の現在地を表すピンもマップ上を動いていくので、自動的に繰り返し位置情報を端末から取得しているようだ。
上の画面で(7)の[着信音を鳴らす]をクリックすると、リモートから端末の着信音を鳴らすことができる。たとえマナーモードに設定してあってもスリープしていても最大音量で鳴る(電源がオフだった場合は、オンになると鳴り始める)。止めるには端末側で電源ボタンかホーム・ボタンを押す必要がある。
例えば、なくした端末が実はすぐ近くにあったりしないか確認するには便利な機能だ。ただ、冗談抜きで該当端末のすぐ近くにいる人の心臓が心配になるほど音量が大きい。執筆時点で音量を落とす機能はないようなので、この点だけは留意しておきたい。
複数のAndroid端末を所有している場合、同じGoogleアカウントを登録しておくと、Androidデバイス・マネージャで切り替えながら素早く各端末の探索ができる。
端末のデータ消去も試してみよう。先ほどのAndroidデバイス・マネージャの画面で、[消去]をクリックすると警告ダイアログが表示されるので、内容を読んでから[消去]ボタンをクリックする。すると、端末側では工場出荷状態へのリセットが自動的に始まる。あらゆるユーザー・データを消去するために、工場出荷状態へのリセットが利用されているようだ。従って、一部のデータは残したい、といったコントロールはまったくできない。
このとき注意したいのは、データ消去が完了した端末はAndroidデバイス・マネージャで探索できなくなる、という点だ。工場出荷状態にリセットされるので、Googleアカウントの登録は解除され前述の事前設定などもすべて初期化されるからだ。なくしたAndroid端末に対してデータ消去を実行する際には、もう見つける術がなくなると覚悟したうえで実行する必要がありそうだ。
もう1点、端末に装着しておいたSDカードの内容は消去されない可能性があることにも注意したい。絶対に漏えいしては困る情報はSDカードに保存しない、といった対処が必要そうだ。
いまやスマートフォンとタブレットの両方を持ち歩いて仕事をこなしている人も少なくない。そこで端末を探す側、すなわちAndroidデバイス・マネージャをAndroidスマートフォン/タブレット、iPadのWebブラウザで表示できるか試してみた。スマートフォンだとマップの面積が若干狭く感じられたものの、「使える」レベルだと感じた。一方タブレットはどちらも使い勝手は良好だった。
何らかの理由で端末の現在位置が取得できない場合、Androidデバイス・マネージャには「現在地情報を利用できません」といったメッセージが表示される。
このような状態に陥ったら、まずは前述の「Android OS 2.2以降を搭載した端末なら探索可能!?」の必要条件と「やってみよう! まずはAndroid端末の設定から」の設定を再確認しよう。
また端末の電源がオンになっているかどうかも疑うべきだ。スリープ中でも現在地は検出できるが、電源がオフになっていたり、ネットワークが未接続(Wi-Fiがオフとか、携帯電話回線が圏外など)だったりすると、Androidデバイス・マネージャは位置情報を取得できない。
もし複数のGoogleアカウントを端末に登録している場合は、Androidデバイス・マネージャにログインするアカウントを切り替えてみよう。特に、所有者ではないアカウントでログインしているとAndroidデバイス・マネージャが位置情報の取得に失敗することがあるようだ。
位置情報は取得できるものの、その誤差範囲が数百m〜数kmと非常に広い場合もある。
このようなとき、しばらく待って再探索すると精度が上がることがある。それでもダメなら、前述の「Android OS側でも位置情報に関する設定が必要」で説明した[オンにすることが推奨される設定項目]をチェックして、オフだったらオンにしてみよう。さらに、Wi-Fi接続がオフの場合は、可能ならオンにしてみよう。原因は不明だが、Wi-Fiアクセスポイントの分布から得られる位置情報の方が、なぜかGPSや携帯電話回線から得られる位置情報より精度が高いこともあるようだ。
今回はAndroidデバイス・マネージャを使ってAndroid端末を見つけたりデータを消去したりする方法を解説した。確かにAndroidデバイス・マネージャは便利で頼もしい。万一、端末を紛失したときにも対処ができるという安心感がある。
しかしAndroidデバイス・マネージャが万能ではないことも確かだ。端末の電源をオフにされると現在地は取得できないし、端末の無線ネットワークを完全に遮断されるとリモートからのデータ消去もままならない。やはり、まず端末をなくさない、盗まれないように対策をしつつ、Androidデバイス・マネージャ「も」すぐ使えるように準備しておくのが正しい使い方だろう。
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