約3年ぶりにGNU Makeがメジャーバージョンアップした。並行ビルド時の出力を分かりやすくする--output-syncやデバッグ時に有用な--traceオプションも追加されている。
GNU Make安定版のメジャーアップデート「GNU Make 4.0」が2013年10月9日にリリースされた。更新版のリリースは、2010年7月に公開されたGNU Make 3.82以来となる。
GNU Makeは、大規模なプログラムの中で再コンパイルが必要な部分を自動的に判別して、その部分を再コンパイルするためのコマンドを発行できるユーティリティ。幅広いオープンソースソフトウェアで利用されている。
GNU Make 4.0では、makefile用の組み込みスクリプティング言語として「Guile」をサポートした。現時点でGuile 1.8と2.0+に対応している。
新しいコマンドラインオプションも追加され、「--output-sync (-O)」ではターゲットや再帰処理ごとに出力のグループ化が可能。これは並行ビルドの間に出力が別のジョブと入り混じって結果が分かりにくくなるのを防ぐ役に立つという。
さらに、ターゲットの追跡を可能にするコマンドラインオプションの「--trace」が新たに加わったほか、「--debug」コマンドラインオプションでは、現在有効になっているデバッグの全ての設定を無効にできる「n(none)」フラグに対応した。
また、Windowsでは「job server」機能や「.ONESHELL」機能を新たにサポート。そのほかの新機能として、BSD makefileとの相互運用を目的とした「!=」シェルアサインオペレータの導入、2012年にPOSIXによって定義された「::=」シンプルアサインオペレータの導入、「$(file ...)」によるファイルへの書き込み機能などが加わっている。
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