今年のJavaOneでは何といってもLambdaとRaspberry Piが注目を集めていたが、JavaOne会期中に開催されたハッカソン「Java Embedded Challenge for Raspberry Pi」が大変な盛り上がりを見せ、総勢25名の開発者が6つのプロジェクトを完遂したことを報告。
中でも面白い取り組みとしてモンスタートラック(巨大な車を操ってジャンプやクラッシュなどを繰り広げる人気のモーターショーで使われる車のこと)のラジコンカーにRaspberry Piを搭載してクラウドから操作可能とし、「MTaaS - Monster Truck as a Service」と称すハックが紹介された。
そして、サプライズとしてRaspberry PiのOSにJava SEが標準バンドルされることをアナウンスした。
小型、省電力でLinuxが稼働するボードとして人気のRaspberry Piは、これまでもOpenJDKをインストールすることはできたが、標準でバンドルされるようになったのはJava開発者にとって非常にうれしい話だ。
同日からRaspberry PiのサイトでJava SE入りのRaspberry Piディストリビューション、「Raspbian」「NOOBS」が公開されている。
続いて、「Devoxx」における教育分野の取り組みが紹介された。Devoxxは10年以上にわたって多大な支持を得ているヨーロッパでメジャーなJavaのコミュニティイベントだ。
創始者であるStepan Janssenは1年前、息子に「プログラミングを勉強してみたい!」といわれ歓喜したが、母国(ベルギー)語のプログラミング教材がないことに気が付いたという。そこで、Devoxxにおいて子ども向けのプログラミング体験イベント「Devoxx4Kids」を開催し好評を得たそうだ。
また、日本でも国外でも開発者は男性が多いが、Devoxx4Kidsでは3〜4割が女子だったとのことだ。
続いて若干10歳にしてJavaで絶妙なハックをしているAditya Gupta氏が紹介された。
Gputa氏は3Dの箱庭で自由自在に世界を作れるゲームとして人気の「Minecraft」を遊んでいたところ、ゲームがうまく動かなくなり、どうやらjarファイルが破損しているらしいことを突き止めたという。そしてJavaに詳しい父親にたずねて修正をしてもらって以来、Minecraftの中身に興味を持ち始めてハックを始めたそうだ。
バイナリをデコンパイルしてソースコードを解析し、重力の設定を変えて豚が空を飛べるようにしたり、爆風を受けたら地面が爆弾に変化する変更を施して連鎖的に爆発が怒るような仕掛けを作ったりと、子どもならではの自由な発想でMinecraftをハックしていたのが印象的だ。
この他、教育に最適なJavaプラットフォームにとして「Java for LEGO Mindstorms」も紹介された。レゴマインドストームでセンサやモーターを活用してSegwayのように2輪で動くDukeは茶目っ気たっぷりだ。
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