これは鶏か卵か的な議論になってしまうのですが、デベロッパーやクリエイター、ギークな人たちがPCに回帰し、あまりタブレットを使わなくなってくると、タブレットの進化も停滞する可能性があります。
もちろん、普及台数で見ればタブレット市場はPC市場よりますます大きく成長していくと思いますし、アプリケーションの販売的にも、ビジネスのプラットフォームとしても既に大きな市場となっているので、進化が止まるということはないと思うのですが、それでもプラットフォームを牽引する人達が日常的に使わなくなると、どうしても勢いが弱まるんじゃないかなと思うのです。
きっとアップル的にはここら辺も予測の範囲内で、だからこそ、iPadをMacとは違った「クリエイティブプラットフォーム」化することにも力を入れてるんじゃないかなと思ったりします。
実際、動画や写真補正、音楽作成などの分野では、iPadの方がPCより優位性のあるソフトウェアが登場してきていますし、アップルのメディア作成系アプリケーション、「iMovie」「GarageBand」などは、単にMacと同じことをできるようにするよりも、よりiPadでこそ使いやすいアプリケーションという方向に進化を始めています。
タブレットをビジネスや文書作成分野で見てみると、アプリケーション的には十分そろっているのですが、やっぱり文字入力がボトルネックになってPCほどの効率は得られないのが現状です。特に、日本語入力はどこまでいってもソフトウェアキーボードで、ハードウェアキーボードの使い勝手を超えることが難しい状態です。
事実、僕も幾つもの外付けキーボードを試したのですが、入力プログラムを選べないこともあり、快適とはほど遠い入力環境しか実現できません。せめてiOSでもサードパーティー製の入力プログラムが使えるようにしてほしいものです。
逆に、Windowsタブレットはこの分野は得意で、まんまフルスペックのWindowsが動きますし、マウスやキーボードを外付けすれば、PCと全く変わらない環境を構築できます。既存のPC環境をタブレットに置き換えるという視点で考えると、2014年はWindowsタブレットが伸びてくる予感がしてます。
だいぶ話がそれてしまいましたが、話をiPad購入に戻しましょう。僕の場合、前述した状況の下、iPadはモバイル環境よりも自宅でじっくりコンテンツを楽しむという使い方に集約されてきたので、画面が大きいことが大きなポイントになりました。
特に、既存の紙媒体をデジタル化した雑誌などでは、いくらデータが綺麗で、拡大縮小もできるとはいえ、物理的に画面が小さいと、いちいち拡大縮小を繰り返さないと文字を読むことすらままなりません。こうした用途では、正直、iPad miniの8インチ液晶サイズは厳しいものがあります。10インチ画面のiPad Airであれば縦置きで1ページ単位で快適に雑誌を読むことが可能です(見開きはちょっと厳しいですが)。
逆に、「やっぱりiPhoneでは画面が小さすぎる」とか、「いつでもどこでもiPadを持ち運んで使いたい」となると、iPad mini Retinaは最適です。重さ的には以前ほどの差はなくなりましたが、いざ使う時にすっと取り出せるのは8インチのiPad miniサイズだと思います。
また、自宅メインやiPhoneと併用してiPadを使う場合ならば、Wi-Fiモデルで十分だと思いますが、どこでもiPadを使いたいと考えると、やっぱりCellularモデルがオススメです。
というようにiPadに関しては、自分のライフスタイルだけでなく、iPad以外の装備との兼ね合いを考えて選ぶのがよいと思います。ちなみに僕的にはiPhone 5s+iPad Air Wi-Fi+MacBook Pro Retina 15インチという組み合わせが現状最強だと思ってます。オススメです ;-)
著者プロフィール ドリキン
サンフランシスコ在住 ガジェット、テック系ブロガー。ブログはDrift Diary XVにて。最近、1週間分のテック系ニュースを配信するbackspace.fmというラジオ番組をONETOPIチーフキュレーターの松尾さんと始めました。通勤のお供にぜひ聞いてください!
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