履歴書は提案書。読みやすく分かりやすく、一緒に働くイメージが湧くものをエージェント徹底活用法(4)(3/3 ページ)

» 2014年03月04日 18時00分 公開
[リーベル 田中祐介,@IT]
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1.企業のニーズを聞く

 面接とは、面接官が「候補者の経験・人柄・志向が、自社が求める人材像に合致しているかを」確かめる場です。「募集ポジションで求めている経験を持っているか」「人柄が自社の企業風土に合うか」「志向が自社の方向性に合っているか」を、さまざまな質問を通して見極めます。ということは、事前に企業および応募しているポジションのことを理解していなければ、面接官にどの経験や思いを伝えれば良いのかが分かりません。

 転職エージェントは、企業やポジションの情報を豊富に持っていますので、(応募書類の作成時に聞いているとは思いますが)あらためて面接前に詳しく聞いておきましょう。

2.ここ一番の面接訓練

 面接はある程度の慣れが必要です。毎回は必要ありませんが、ここ一番、どうしても受かりたい企業の面接の前には、転職エージェントの面接訓練を受けてみるとよいでしょう。

 転職エージェントは毎日多くの人と面談し、さまざまな経験と志向を聞いています。エージェント面談でのヒアリングプロセスは、採用面接と非常に似ていますので、模擬面接にもなるのです。

 面接訓練はご自身の担当エージェントに頼めればベストです。あなたの癖や経験の強み・弱み、面接の熟練度などを加味して訓練できるからです。担当のエージェントの予定が押さえられなかった場合は、同じエージェンシーの別のエージェントか、もしくはエージェンシーが行っている面接練習会などに参加するのもよいでしょう。

※面接に慣れるために志望度の低い企業を先にたくさん受けて練習する人もいますが、企業に対して失礼ですので、私は感心しません。

3.選考の調整方法を相談する

 複数企業の面接を並行して進めるには、注意が必要です。企業ごとに面接回数や選考スピード、内定後の回答期限がバラバラだからです。これを知らずに面接を設定すると、第1志望の企業が選考中なのに、第2志望以降の企業の回答期限が来て、どちらか一方を選ばなければならなくなる可能性があります。

 選考を効率よくイメージ通りに進めるためには、どのように面接日程などの調整をすればよいのか、転職エージェントに相談するとよいでしょう。

4.想定外の事態に対処する

 面接が終わった後に、企業が転職エージェントに問い合わせをすることがあります。そこで、エージェントの回答とあなたが面接で発言したことが食い違うと、企業に不信感を抱かせる恐れがあります。

 企業からの問い合わせは、主に考え方や志向などを確かめるものです。それらは転職活動を進める中で変化することが多いので、エージェントと密に情報連携をしていないと、認識の食い違いが発生しがちです。選考中はできるだけエージェントに自分の状況や心境を伝え、エージェントが誤った対応をしないように注意しましょう。

 実際に転職活動を進めると、実にさまざまなことが発生します。現職が急に忙しくなったり、ライフイベントが発生して予定を変更しなければならなくなったり、配偶者が急に難色を示しだしたりなど、自分と応募先企業だけの問題ではないことも多々発生します。

 もし、そのような状況に陥って困ったり迷ったりしたときには、遠慮せず転職エージェントに相談しましょう。「転職が本当に必要かどうか迷っている」といった相談でも大丈夫です。エージェントは数々の問題に対処してきていますし、そもそもキャリア構築を支援するのがエージェントの本分です。

 無事に内定を得た後や退職交渉時も、なかなか簡単に物事は進みません。そんなときも、転職エージェントの出番です。一人で悩まずに、二人三脚で最後まで走りましょう。


 転職エージェントの徹底活用法、具体的なお話は今回でおしまいです。次回、最終回は「信じてはいけない都市伝説」と題して、世間でまことしやかにささやかれているウワサについて、その実体をお伝えします。どうぞ最後までお付き合いください。

筆者プロフィール 田中祐介

田中祐介

東京大学大学院を修了後、中堅SIerを経てアビームコンサルティングに入社し、IT企画や構想策定から開発、保守・運用まで、IT領域全般に携わる。現職のリーベルには「一人一人のパートナー」になりたいという想いを実現するために転職。リーダーや採用担当として培った"長所を発見する力"と、SIer・コンサルティングファームの両方の現場感覚を知る強みを生かし、個人と企業がWin-Winとなるマッチングを目指す。



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