「Open Platform 3.0 Forum」発足から1年

ビジネスでクラウドを使う場合にどのような相手と組み、相手との関係においてどのような役割を果たすべきか――システム間のオープンな連携のための仕様を検討するThe Open Groupが、Open Platform 3.0の今を語った。

» 2014年03月11日 18時42分 公開
[鈴木聖子@IT]

 The Open Groupが2013年4月に「Open Platform 3.0 Forum」フォーラムを発足させてから、間もなく1年が経つ。Open Platform 3.0ではモバイル、ソーシャル、ビッグデータ、クラウド、モノのインターネットといった新興技術と新しいビジネスモデルやシステムデザインを融合させ、フォーラムはその活用を支援するために設置された。

 The Open Groupのブログには、同グループのデイブ・ランズベリーCTOと、Open Platform 3.0のディレクター、クリス・ハーディング氏がフォーラムの活動状況などについて語ったインタビューが掲載されている。以下では、その一部を紹介する。

 ハーディング氏は、発足からの1年を振り返り、「まず、同プラットフォームの要件を検討し、2013年夏までに「Open Platform 3.0の要件に関するビジネスシナリオ」をまとめて10月のOpen Groupカンファレンス前に発表した。利用ケースの分析も行い、これまでに22の利用ケースもまとめた」と語り、2014年3月末にもSnapshotの定義が完了するとの見通しを明らかにした。ただし、Snapshot定義については「標準ではない」と限定的なものであるとの見解を示し、同プラットフォームの最初の標準定義は、Snapshotの登場後、約1年以内にまとめることを目標としているという。

 また、クラウド関連のワーキンググループがOpen Platform 3.0傘下になったことについては、ランズベリー氏から「Open Platform 3.0で変化の大きな原動力の1つとなるのがビッグデータ。ビッグデータは接続の増加やモバイル端末利用の増加、センサー利用、つまりモノのインターネットの増加から来ている。その全てが大量のデータを発生させる。その処理のためには膨大な拡張性を持ったコンピューティングが必要であり、大量の情報を1つの場所から別の場所へと動かせる必要がある。そうしたデータの分析について考える場合、大量のデータにアクセスするアルゴリズムを持つことになり、コンピュータ処理量が激増する。しかし、常に膨大な量の情報を参照できるだけのコンピュータを買うのではなく、必要な時に使って分析を行った後はオフにしておきたいと思う。そこでクラウドがOpen Platform 3.0の重要なコンポーネントになる、とコメントしている。

 Open Platform 3.0ではさまざまな異なる技術とその融合方法を網羅しているが、これらの標準策定についての見通しについては、「ビジネスの問題をエンド・トゥ・エンドの問題として見るというのがThe Open Groupの理念だ。Open Platform 3.0では何がビジネスの動機付けになり、そのために何を必要としているかを把握するためにビジネスシナリオを作成し、具体的な利用ケースでその肉付けを行っている。

 The Open Groupでは、他の標準化団体がやっていることの複製にならないよう、非常に気を使っている。Open Platform 3.0傘下のクラウドでは、人々がクラウドガイドで何を本当に必要としているかに的を絞った。このほど発表した「Cloud Ecosystem Reference Model」では、パートナー同士の相互作用に重点を置き、クラウドパートナーに求めるべきもの、ビジネスでクラウドを使う場合にどのような相手と組み、相手との関係においてどのような役割を果たすべきかを盛り込んだ」(ランズベリー氏)としている。

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