Windows Vista以降、Windows OSの標準機能であった「Windowsエクスペリエンスインデックス」は、簡単にPCの性能が計測できる。しかしWindows 8.1以降、「Windowsエクスペリエンスインデックス」が表示されなくなってしまった。しかし計測するコマンド自体はWindows 8.1/10にも用意されており、手動で実行することが可能だ。
対象:Windows 8.1/10
Windows Vista以降、PCの性能を測定し、その測定値を基本スコアで表す「Windowsエクスペリエンスインデックス」と呼ばれる機能が提供されてきた。Windowsの標準機能である上、プロセッサやディスク、グラフィックスなどのハードウェアコンポーネントごとの性能もサブスコアという形で測定できることから、PCの性能クラスを簡単に調べられる便利な機能であった。
使っているPCの性能に若干の不満を感じた際、「Windowsエクスペリエンスインデックス」を実行し、ボトルネックとなるコンポーネントをバージョンアップするなどすれば、性能を効率よく改善できるだろう。ノートPCの場合、コンポーネントを変更するのは難しいだろうが、デスクトップPCならばディスクのサブスコアが低いコンポーネントをより高速なものに変更することで性能向上を図ることが可能だ。例えば、ディスクのサブスコアが低いのであれば、高速なSSDに変更する、といった具合だ。
ところがWindows 8.1/10では、この「Windowsエクスペリエンスインデックス」の値が、[システム]のプロパティ画面には表示されなくなってしまった。ただ、この値を計測するWindowsシステム評価ツール(Windows System Assessment Tool)「WinSAT.exe」自体は、Windows 8.1/10にも存在するので、手動で計測することは可能だ。ここでは、Windows 8.1/10で「Windowsエクスペリエンスインデックス」を計測・表示する方法を紹介する。
インデックス値を計算するには、管理者権限でコマンドプロンプトを開き、「winsat formal」コマンドを実行する(管理者権限でコマンドプロンプトを開く方法は、「Windows 10でコマンドプロンプトを素早く起動する方法」を参照のこと)。なお、バッテリー駆動の場合は、エラーが表示されて実行できないので、ノートPCやタブレットPCで実行する際には注意したい。
計測結果のログは(デフォルトの場合)、「%windir%\Performance\WinSAT\DataStore」というフォルダに、「<計測時刻> Formal.Assessment (〜〜).WinSAT.xml」というXML形式のファイルで結果が保存される(「〜〜」には「Initial」か「Recent」が入る。新しい方のファイルを開くこと)。各インデックス値は、最低1.0から最高9.9までの値になる。
Internet Explorer(IE)などでログを開いて値を読んでもいいのだが、以下の方法でインデックス値だけを見ることも可能だ。
IEなどでXMLファイルを開くことでサブスコアなどの確認が可能だが、少々分かりにくいところがある。単純にサブスコア(インデックス値)だけを確認したいのであれば、WinSAT.exeを実行後、管理者権限でPowerShellを起動して、「Get-CimInstance Win32_WinSat」コマンドレットを実行すればよい。
Windows 7の[システム]プロパティ画面のように、より分かりやすい表示で「Windowsエクスペリエンスインデックス」を見たい場合は、WEBMARKS.INFOが提供している「WEI Viewer」というWebサービスを利用するとよい。
上記のWebサイトを開き、画面の(3)の部分にログファイル「<計測時刻> Formal.Assessment (〜〜).WinSAT.xml」をドラッグ&ドロップすればよい。[システム]プロパティ画面のようにインデックス値が表示される。
このようにWindows 7の[システム]プロパティ画面のように「Windowsエクスペリエンスインデックス」が表示される。
手動でWinSAT.exeを実行するのが面倒ならば、コードリウムが無償で提供している「WIN SCORE SHARE」ツールを利用するとよい。
コードリウムのソフトウェアページから「WIN SCORE SHARE」のリンクをクリックし、winscoreshare_201.zip(原稿執筆時点では、Windows 10に対応したバージョン2.01が提供されている)をダウンロードする。
Windowsエクスプローラでwinscoreshare_201.zipを開き、WinScoreShare.exeを実行すればよい。ZIPファイルから直接実行できるので、ZIPファイルを展開する必要はない。WinScoreShare.exeを実行すると、注意事項に同意を確認する画面が表示されるので、[同意する]ボタンをクリックすると、[最新の計測結果を読み込む]か[再計測開始]の選択画面が表示される。
[再計測開始]ボタンをクリックすると、コマンドプロンプトが開き、WinSAT.exeが実行され、「WIN SCORE SHARE」ツールによる計測結果の表示が行われる。なお前回実行した結果を見るのであれば、[最新の計測結果を読み込む]ボタンをクリックすればよい。
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