本連載では、全5回で「Windows Azure Webサイト」と「WebMatrix3」によって、WordPressをカンタンに導入しキャンペーンサイトを構築・運用するノウハウを解説する。最終回は運用フェーズ。キャンペーンのKPIを設定し、アクセス解析の数値を確認し、改善策を考え、最後に成果のリポートを作成する流れを紹介。
連載第1回の「Windows Azure Webサイトで始めるらくらくキャンペーンサイト作成!」では、なぜ「Windows Azure Webサイト」(以下、AzureWebサイト)を使うのかについてや、例として構築するキャンペーンサイトの概要、AzureWebサイトと「WebMatrix 3」の導入の仕方について簡単に紹介した。
また第2回の「WordPressインストール&テーマカスタマイズ超入門」では、WordPressをローカル環境にインストールしコーディングを行った後、AzureWebサイト上に表示するまでの作業を行った。
第3回の「WordPressでのキャンペーン運用に超絶便利なプラグイン3選」ではWordPressのプラグインを使って、WordPressサイトにキャンペーンの応募フォームを設置。入力された情報をデータベースで管理できるようにし、キャンペーンに必須の電子メールも送れるようにした。
第4回となる前回の「WordPressでのスマホ表示最適化と使えるプラグイン」では、スマートフォン用のWordPress子テーマを作成し、スマートフォンで閲覧されるとテーマが切り替わるようにした。
いよいよ連載も最終回。今回の作業は大きく3つである。サイトのアクセス解析を行い、PVやコンバージョンなどの数値を元に、サイトの改善施策を考え、リポートを作成する。
今回の内容については、連載「アクセス解析結果を活かす術」なども参考にしてほしい。
キャンペーンの目的は、売上向上や資料請求、会員獲得などキャンペーンを行う企業の事業内容やキャンペーン内容によって大きく異なる。本連載のキャンペーンサイトの大きな目的は「ブランドの認知度向上」である。この目的を達成するためには、具体的なモニタリングの指標を定める必要がある。それがKPI(重要業績評価指標、Key Performance Indicators)である。
今回はKPIを「PV(ページビュー):100万pv」とした。キャンペーン期間は2013年12月10日〜2014年3月10日(約3カ月)である。これを達成するためにアクセス解析で得られるデータを日々モニタリングし、KPIと照らし合わせ、課題を浮き彫りにし、サイト内の導線の改善や集客の最適化を行うことになる。
また、「コンバージョン:30000(CV率:3%)」も併せてKPIとし、現状のプレゼント応募フォームの問題点を考えることにした。
アクセス解析はグーグルの「Google Analytics」やアドビシステムズの「SiteCatalyst」など多く存在するが、ユーザーの流入経路や検索キーワード、直帰率が分かるものが望ましい。
キャンペーン期間は91日あるので、1日当たり約1万1000PVを目標とする。毎日、数値を確認する。
1日の目標PV | 本日のPV | 累計PV |
---|---|---|
1万1000 | 5000 | 7万7000 |
キャプション |
上の数値は検索エンジン、リスティング広告、外部広告(ディスプレイ広告)、メールマガジン、ソーシャルサービス、リファラー(外部参照元)、ノーリファラー(URL直接入力やお気に入りからの流入)の全ての流入を合計した数値だが、各流入経路別に、PVを算出し、改善可能で効果が見込める流入経路の改善策を優先して実行する。
目標に達していない場合は、リスティング広告であれば広告文の見直し、あるいは、ディスプレイ広告の広告コストを上げインプレッションを増やす方法や、ソーシャルサービスからの流入を増やすため、ユーザーがサイトを広めたくなるような仕掛けを仕込むなど、幾つか施策が考えられる。
他にも、メールマガジンを発行している場合は、サイトへ誘導するリンクの文章を改善し、クリック率を上げることを検討する必要がある。
ソーシャルサービスからの流入や拡散が少なく、コンバージョンが低い場合は、プレゼントの魅力が足りないことも考えられる。プレゼント自体の追加や個数の追加なども検討する。
今回のキャンペーンの場合は、1日の目標PVが足りない日が多いため、「流入数を改善する上記の施策を実行しやすく改善が見込める順に行うべき」といえる。
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