2013年、運用管理に関わる@IT読者はどんな人たちだった? アンケート結果で見る現状と課題。
@IT編集部では「運用管理編」「ネットワーク・セキュリティ編」「システム開発編」の3つの分野について、読者意識調査を行うべく、2013年10月24日〜11月25日の約1カ月間、@ITのWebサイト上で読者アンケートを実施した。本稿では、その集計結果のうち、運用管理編の解答から、直近の読者の関心、動向を紹介していく。
運用管理編の解答者のプロフィールは以下の通りだ。アンケートでは、詳細な職種を追跡したため、分散しているように見えるが、情報システムスタッフ、ITアーキテクト、ITコンサルタント、PMを併せると、61.6%の読者が何らかの形で情報システム部門に関わっていることが分かる。
一方で、IT関連製品の調達に関しては、83.5%の読者が何らかの形で製品導入に関わる立場にあることが分かる。特に技術情報を理解していなければできない、製品評価・導入をする立場にある読者が過半数を示している。
なお、回答者の担当システムの規模は次の通りである。
質問4では、システム運用管理に関するトピックス/キーワードの中で注目しているものを複数選択してもらった。仮想デスクトップ環境や社内情報共有基盤の整備に多くの関心が集まる一方で、他のトピックに関しても一定の関心があることが分かった。
興味深いのは、自由記述の解答の中に「システム運用管理を評価するための指標(KPI)作り」を挙げている読者がいることだ。安定稼働が当たり前とされる情報システムの運用管理では、事故なく運用した=100%達成、となるかもしれないが、それ以上の価値をどう指標化していくかは、悩ましいところだろう。
直近では、コストセンターではなく「収益に貢献する情報システム部門」としての在り方が求められつつあるようだが、コスト削減とビジネスインパクトのあるシステム提案がどのくらい実現できるかを数値化することは非常に難しい問題だ。
従来のコストセンターとしての情報システム部門では、安定稼働と併せてコスト削減をどこまで実現できるかが問われてきた。仮想化によるシステムリソースの効率化はこうした文脈の中でよく語られてきたところだが、実際には、各々のシステムのビジネスプロセスを検討した上で、どのように共通化・標準化できるかを検討する段階で苦慮しているケースも少なくないのではないだろうか。
質問6では、利用中の運用管理ツールにどういった課題があるのかを聞いた。回答では、利用する際に学習コストが掛かることに多くのユーザーが課題を感じていることが分かる。注目すべきは約20%もの読者が「(利用中の運用管理ツールでは)管理できないシステムが多い」と指摘している点だ。また、物理環境と仮想環境が混在しており、管理が複雑化している点も比較的多くの読者が課題として挙げている。
運用管理ツールで統合的に管理できないのであれば、作業工数を削減することは難しい。自由回答でも「現実問題として統合管理することができない」「課題が多かったので利用をやめました」といった意見が出ている。また、日々の運用業務が多忙なためか「詳細に設定する時間、検証する時間がない」という回答も見受けられた。
一方で、クラウドサービス、IaaS環境などの利用状況に関しては、意外な結果が得られた。次ページで詳しく紹介する。
スタートアップ企業や大手企業がIaaSなどのクラウドサービスを活用した情報システム運用を進める一方で、これから利用を検討している読者は検討の指針を求めている。見積もりはどう取るべきか、運用後に想定すべきトラブルや管理面の課題など、クラウドサービス事業者選定で考えるべきポイントを紹介。
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