オラクルはデータベースの会社だが、セキュリティにも注力している――日本オラクルはこれまで発表してきたセキュリティ関連ソリューションをまとめ、データが狙われる時代に、データベースができること紹介した。
日本オラクルは2014年6月12日、同社が持つデータ保護のための製品群「Oracle Maximum Security Architecture」についての説明会を開催した。データ保護機能に加え、内部犯行対策、そしてビッグデータ解析に不可欠なマスキング/暗号化などのソリューションを紹介した。
日本オラクル 執行役員 データベース事業統括 製品戦略事業統括本部長の山本恭典氏は、「攻撃者の狙いは、サービス停止でなければ『データベース内のデータ』だ」と述べる。「実はオラクルという名称はラリー・エリソンCEOが参画していた、CIAの某プロジェクトのコードネームから。CIAでも利用できるようなレベルのセキュリティを組み込んでいる」とした。
オラクルが提唱するOracle Maximum Security Architectureは、「アクセスを制御する機能」「情報漏えい対策」「監査」などのカテゴリに分けられる。
アクセス管理においては、データベースレベル/オブジェクトレベル/行レベルで、誰がアクセスできるのかをコントロールできる。データベース管理者の職務分掌を管理できるOracle Database Vaultや、行単位でラベルベースのアクセス管理を行えるOracle Label Securityを導入することで、細かなアクセス制御が可能だ。
監査面においては、ユーザーとデータベースの間にSQLファイアウォールを置くことで、SQLインジェクションなどの攻撃の検知や、オラクル以外のデータベースを含む監査ログを取得可能だ。これはOracle Audit Vault and Database Firewallで実現できる。
情報漏えい対策、とりわけ「重要データを持ち出させない」対策は重要な役割を担う。データの参照時に不必要な情報を伏せ字化する「リアルタイムマスキング」や「データの暗号化」などは、開発/テスト環境へのデータ移行や、解析システムにデータをコピーする際に必要な機能だ。
日本オラクル データベース事業統括 製品戦略事業統括本部 プロダクトマーケティング部の大澤清吾氏は、「メインのデータベースにセキュリティ対策を施したとしても、他のDBやHadoopにデータを流すような仕組みがあると、重要なデータが分散し、セキュリティリスクになる」と述べる。
特にビッグデータ解析処理においては、個々のデータをプライバシーに配慮しつつ処理する仕組みが必要となる。そのための手法として大澤氏は
などを挙げる。これらはOracle Data Redaction/Data Masking/Transparent Data Encryptionで実現できる。
データの暗号化は新しい技術ではないが、性能劣化が問題視されることが多かった。この点について大澤氏は「インテルのAES-NIなどチップレベルでの対応が進み、1〜3%程度しか性能劣化しない」と述べる。アプリケーションの改修も不要だとし、「導入のハードルも低いのがオラクルソリューションの特徴」だとした。
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