OpenStackにおけるNFVの試み他、OpenStack Summit AtlantaまとめたまおきのOpenStack Watch(2014年6月)(1/2 ページ)

レッドハットの参戦を受けて、ホスト環境のシェアに変化は? 日本で著名な企業が使っているのは? AT&Tらによるテレコム向けNFVの試みについても紹介。

» 2014年06月17日 18時05分 公開
[たまおきのぶゆき日本仮想化技術]

 日本仮想化技術のたまおきです。

 今回の「たまおきのOpenStack Watch」は米国アトランタで5月12〜16日までの5日間にわたって開催された「OpenStack Summit」の様子を報告いたします。

 OpenStack SummitはOpenStackの開発者が今後の開発ロードマップや機能実装について語るDesign Summitと、200を超える事例セッションやテクニカルセッションで構成されています。今回のOpenStack Summitは4700人が参加しました。前回(昨年11月)の香港でのOpenStack Summitが3000人ですから、着実に参加者数を増やしていることが分かります。

キーノートの1つでは、米デルのCTOであるSam Greenblatt氏が登壇、米レッドハットのTim Yeaton氏とともに、その貢献について語った
Tim Yeaton氏

 日本OpenStackユーザー会の有志を募り、現地で「Japan Night」を企画したところ60人を超える参加がありました。Japan Nightに参加していない人も加えると、日本から100人超の方々が参加したのではないでしょうか。

 最近ではOpenStackに対する期待値がさらに高まってきており、業務でOpenStackを使い始める人が増えてきたと認識していましたが、それを裏付ける数字です。次回のOpenStack Summitは2014年11月にフランスのパリで開催予定です。読者の皆さんと参加したいですね。

今回の利用者調査の結果は?

 OpenStack Summitで筆者が気になったことは3点あります。

 1つ目はOpenStack Communityメンバー向けに実施した利用者調査の結果です。前回の香港での利用者調査の結果は下記、関連記事を参照ください。

 OpenStackのホストOSではUbuntuが6割のシェアを持っており、Red Hatが追いかける構図があります。この状況を巻き返すために、レッドハットからは、2014年初めにRed HatとCentOSの“歴史的和解”および共同開発体制の発表がありました。また、プライベートクラウド領域でのパートナーシップの発表もありました。

 こうした動きを経て、今回のOpenStack Summitで発表されたユーザーサーベイはこちらです。Production(本番環境)と Dev, Proof of Concept(開発環境&評価環境)を分けて集計しています。

 Production(本番環境)においてはUbuntuが53%、CentOSとRHELの合算が31%で、前回の調査と変わらない結果です。

 一方の、Dev, Proof of Concept(開発環境&評価環境)においてはUbuntuが43%になっており、CentOS+RHEL陣営の40%と肉薄している状況が見えてきました。

 筆者は、製品やサービスは適切な競争の中で磨かれていくと考えていますので、この状況は喜ばしいことですし、次回のOpenStack Summitの調査結果が気になるところです。

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