声が他者に与える印象「声格(せいかく)」を変えて、表現豊かなプレゼンやLTを目指そう。※オリジナル動画付き
皆さま、こんにちは。キャリアヴォイスの山崎美和です。
本連載では、ヴォイストレーニングからライトニングトークデビューまでを、若手のビジネスパーソンと共に学んでいきます。文章だけでなく、ポイントとなる動画も掲載します。併せて見ていただくと、より深く理解できるでしょう。
今回のテーマは、「声のチカラを理解する」です。
では最初に、「プレゼンテーションの3要素」を紹介します。
「構成」は、どのような「順序」や「流れ」で伝えると、より聞き手の理解や納得が深まるのかという話の組み立てのことです。「コンテンツ」は、聞き手に対して、最も「伝えたい」「理解してほしい」「納得してほしい」ことは何かを明確に決めること。
「スピーク」は、聞き手に興味や関心を持たせ、伝えたいことをきちんと聞いてもらい、かつ理解してもらうための「声のトーン」や「話し方」のことです。ボディランゲージも加えて、「デリバリー」と呼ぶ場合もあります。プレゼンテーションを成功させるには、この3つの要素をバランス良く調和させる必要があります。
構成やコンテンツは、プレゼンテーションの内容によって変わりますが、「スピーク」には、大きな変化はありません。つまり、いかに声に説得力を持たせるかが、どのようなプレゼンテーションにおいても成功のカギとなるのです。これはビジネスの場で特に重要な要素だといえます。
この「スピーク」を上手にこなすためには、声は「とても正直」で「ウソをつかず」に、「今、その人が感じていることを無意識に伝えていく」ものだということをまず理解いただければと思います。
私たちは普段、何げなく「声」を発していますが、実は、その声から多くの情報を提供しています。相手は声を聞いたときに、多くの情報を収集し、その人の感情や状況を、無意識に感じ取っているのです。
例えば、皆さんが朝、家族や友人、上司の「おはよう」という一声を聞いて、
おっ、明るくて元気な声。何か良いことあったのかな?
あれ、暗くて力のない声。何か嫌なことあったのかな?
と、彼らの感情を感じ取ったことはありませんか?
また、知り合いが大きな声でゆっくり話すときは「自信があるのだな」と感じたり、小さな声で早口でしゃべるときは、「自信がないのでは?」と感じたりしませんか?
前回のインタビューで、2年目社員の中尾さんは、「緊張で声が出なかったときがある」と話していました。
中尾さんは緊張する要因として、「過去の失敗から同じことを繰り返すのではないかと心配になる」「自分には裏方が合っていると思っている」といったことを挙げています。このように過去の経験や考えが、声の出し方に影響を与えてしまうこともあります。
つまり、相手にも自分にも知らず知らずに、影響を与えていくのが、「声」なのです。
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