Nginxのインストールと基本設定これから始める人のためのNginx(2)(3/4 ページ)

» 2014年07月31日 18時00分 公開
[鶴長鎮一,@IT]

ソースファイルをビルドする場合

 ソースファイルをビルドすれば、無駄なモジュールを省いてパフォーマンスを重視した高速型にすることも、モジュールを追加し多機能型にすることも自由にできます。またインストールパスや設定ファイルのパスのカスタマイズも可能です。その他、サードパーティ製モジュールを組み込む場合にも、ソースファイルが必要になります。

 ソースファイルをビルドするにはgccやmakeなどのビルド環境を用意する必要があります。

・ビルド環境の準備(Ubuntu 14.04の場合)

 Ubuntu上にビルド環境を準備します。基本的な開発環境の他に、Perl互換正規表現ライブラリ、圧縮転送に必要なzlibライブラリ、HTTPSに必要なOpenSSLライブラリといったものが必要になります。

$ sudo apt-get install build-essential	←基本的な開発環境
$ sudo apt-get install libpcre3 libpcre3-dev	←Perl互換正規表現ライブラリ
$ sudo apt-get install zlib1g zlib1g-dev	←圧縮転送に必要なzlibライブラリ
$ sudo apt-get install openssl libssl-dev	←HTTPSに必要なOpenSSLライブラリ

 この後の手順はCentOSと共通になります。Ubuntu 14.04/CentOS 6.5共通に進んでください。

・ビルド環境の準備(CentOS 6.5の場合)

 CentOS上にのビルド環境を準備します。基本的な開発環境の他に、Perl互換正規表現ライブラリ、圧縮転送に必要なzlibライブラリ、HTTPSに必要なOpenSSLライブラリといったものが必要になります。

# yum groupinstall "Development Tools"	←基本的な開発環境
# yum install pcre pcre-devel	←Perl互換正規表現ライブラリ
# yum install zlib zlib-devel	←圧縮転送に必要なzlibライブラリ
# yum install openssl openssl-devel	←HTTPSに必要なOpenSSLライブラリ

 この後の手順はUbuntuと共通です。Ubuntu 14.04/CentOS 6.5共通に進んでください。

・Ubuntu 14.04/CentOS 6.5共通

 http://nginx.org/en/download.htmlにアクセスし、最新のNginxソースアーカイブを各リンクからダウンロードするか、直接、http://nginx.org/download/からダウンロードします。

 そしてダウンロードしたソースアーカイブを展開し、configure/make/make intallを実行すれば「/usr/local」配下にインストールされます(図1)。nginxサービスを開始する方法は、「Nginxの操作」を参考にしてください。

$ curl -O  http://nginx.org/download/nginx-1.7.2.tar.gz
$ tar xvfz nginx-1.7.2.tar.gz
$ cd nginx-1.7.2/
$ ./configure
$ sudo make
$ sudo make install
図1 Nginxをソースからインストールした場合の各ファイル配置先

・configureオプション

 ソースファイルをビルドする途中のconfigure実行時にさまざまなオプションを指定することで、モジュールの有効/無効やインストールパスといったNginxのカスタマイズが可能です。例えば各パスの指定には「--○○-path=パス」、モジュールの有効化には「--with-○○」、無効化には「--without-○○」といったオプションを使用します。

./configure \
	--prefix=/etc/nginx \
	--sbin-path=/usr/sbin/nginx \
	--conf-path=/etc/nginx/nginx.conf \
	--sbin-path=/usr/local/nginx/nginx \
	--conf-path=/usr/local/nginx/nginx.conf \
	--with-http_ssl_module \
	--without-http_proxy_module

 configureで指定可能なオプションは「$ ./configure --help」で確認できます。既に使用しているNginxがどんなconfigureオプションでビルドされているかを確認するには、nginxに「-V」オプションを指定し実行します。

$ nginx -V	←Nginx社の公式パッケージのconfigureオプション
nginx version: nginx/1.7.2
built by gcc 4.8.2 (Ubuntu 4.8.2-19ubuntu1) 
TLS SNI support enabled
configure arguments: --prefix=/etc/nginx --sbin-path=/usr/sbin/nginx --conf-path=/etc/nginx/nginx.conf --error-log-path=/var/log/nginx/error.log --http-log-path=/var/log/nginx/access.log --pid-path=/var/run/nginx.pid --lock-path=/var/run/nginx.lock --http-client-body-temp-path=/var/cache/nginx/client_temp --http-proxy-temp-path=/var/cache/nginx/proxy_temp --http-fastcgi-temp-path=/var/cache/nginx/fastcgi_temp --http-uwsgi-temp-path=/var/cache/nginx/uwsgi_temp --http-scgi-temp-path=/var/cache/nginx/scgi_temp --user=nginx --group=nginx --with-http_ssl_module (……略……) -Wp,-D_FORTIFY_SOURCE=2' --with-ld-opt='-Wl,-Bsymbolic-functions -Wl,-z,relro -Wl,--as-needed' --with-ipv6

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