ここからは、Windows 8.1とVisual Studio 2013を使う。
アプリのパッケージを生成したときに、ソースコードもダウンロードできるようになっている。ダウンロードしたzipファイルの中身を適当なフォルダーに展開し、その中のソリューションファイル(「AppStudio.sln」というファイル名になるようだ)をVisual Studio 2013で開いてみよう(次の画像)。
このソースコードをベースとして、独自のアプリを作り込んでいってもよい。筆者の感覚としては、ある程度できた後はVisual Studioで作業した方が早そうだと感じた。
また、このソースコードはとても参考になるので、いろいろと見てほしい。
【ソースコードの見どころ】
ところで、これほど素晴らしいWindows App Studioなのだが、1つ困ったことがある。Phoneで「中華フォント問題」*10が起きるのだ(次の画像)。
この問題は、現在のところWindows App Studio上では回避できない。Visual Studioを使って、以下のように対策コードを追加する。
protected override void OnLaunched(LaunchActivatedEventArgs e)
{
……省略……
if (RootFrame == null)
{
……省略……
RootFrame = new Frame();
// CJKフォント対策
RootFrame.Language = "ja";
……省略……
これで、次の画像のように、きちんと日本語のフォントで表示されるようになる。
*10 ストアアプリがCJK(中国語/日本語/韓国語)に共通する文字の表示を要求した際に、システムがデフォルトで選択するフォントが(エンドユーザーの言語設定などによらず)決め打ちになっているために生じる問題。デフォルトで選択されるフォントがPhoneでは中国語のものであるため、日本で「中華フォント問題」となる。Windowsでは、日本語のフォントがデフォルトで選択されるため日本では問題にならないが、中国で「日本語フォント問題」となっているはずである。これを回避するには、ここで示したようにコントロールのLanguageプロパティを設定するか、明示的にフォント名を指定する。
*11 日本語のアプリなので、「"ja"」とリテラルで決め打ちしている。多言語化対応したときなど、決め打ちできないときには、「WinRT/Metro TIPS:エンドユーザーの言語設定を取得するには?[ユニバーサルWindowsアプリ開発]」を参考にしてどうするか考えてほしい。
Windows App Studioを使えば、情報提供型のユニバーサルWindowsアプリを簡単に作れる。完成したアプリは、ストアで公開できるし、インストールがちょっと手間だがサイドローディングで仲間内に配布することもできる*12。
Webブラウザーだけで簡単に制作できるので、ぜひ挑戦してみてほしい。自分が興味を持っている情報を集めたアプリが、あっという間に完成するのだ。また、すでにユニバーサルWindowsアプリを手掛けている人も、Windows App Studioが生成するソースコードをぜひ活用してほしい。
Windows App Studioの使い方については、「方法」のページの他に、Microsoft Virtual Academyの動画コンテンツ「ノンプログラマーのためのアプリ開発入門 - Windows App Studio 編」も参考になる。
*12 サイドローディングしたアプリは、永久に使えるわけではないので注意してほしい。Windows App Studioから提供されたデジタル署名の有効期限が切れると、起動しなくなる。そのときは、[Generate]し直したパッケージを再度インストールすればよいはずだ。今回筆者が調べたところでは、Windowsのサイドローディング用に提供されたデジタル署名の有効期限は2014年6月1日から2015年7月4日までとなっていた。
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