サービスに合わせるインフラを、デルが新サーバー「Dell PowerEdge FX」発表サーバーやストレージなどの「ブロック」を柔軟に構成

デルは2014年11月12日、サーバーやストレージ、ネットワークスイッチといった「ノード」を柔軟に組み合わせて構成できるプラットフォーム「Dell PowerEdge FX」を発表した。

» 2014年11月13日 14時10分 公開
[高橋睦美,@IT]

 デルは2014年11月12日、柔軟な構成が可能なブロック型アーキテクチャを採用したサーバー新製品「Dell PowerEdge FX」を発表した。Software Defined Data Center(SDDC)やクラウドに適合した、柔軟性の高いインフラ基盤の提供を目指している。同時に、Intel Xeon Processor E5 2600 v3ファミリーを搭載した「Dell PowerEdge 第13世代サーバ」にも4機種を追加した。

 Dell PowerEdge FXは、2Uサイズのシャーシ「Dell PowerEdge FX2」に、サーバーやストレージ、スイッチといったリソースノードを「ブロック」のように組み合わせて構成するプラットフォームだ。同社は先に、拠点向けのコンバージドサーバー「Dell PowerEdge VRTX」をリリースしているが、Dell PowerEdge FXはそれと共通の技術をベースにした、次世代データセンター向けの製品で、高性能、高密度に加え、柔軟な構成が可能な点が特徴となる。

ノードを自由に構成できる「Dell PowerEdge FX2」

 Dell PowerEdge FX2はPCIe Gen3スロットを最大8本備え、ハーフ幅のノードならば4つ、クォーター幅のノードならば最大8つまで、自由な組み合わせで搭載できる。用途に応じてインフラを選択・構成するのではなく、インフラ側を用途に合わせて組み変えていく、といったイメージになるという。

デル 執行役員 エンタープライズ・ソリューションズ統括本部長の町田栄作氏

 デル 執行役員 エンタープライズ・ソリューションズ統括本部長の町田栄作氏は、「俊敏性や信頼性、管理方法などさまざまな観点で、インフラのあり方を根本的に見直さなければいけない時期にきている。インフラ中心からサービス中心へと変わっていかなくてはならない」と述べた。

 Dell PowerEdge FX2向けには当初、2ソケットのIntel Xeon E5-2600v3プロセッサーを搭載したハーフ幅のサーバー「Dell PowerEdge FC630」、Intel Atom C2000プロセッサーを4基搭載できるハーフ幅のサーバー「Dell PowerEdge FM120x4」、各ノードからのLAN/SAN接続を集約するレイヤ2スイッチ「Dell PowerEdge FN I/Oアグリゲータ」という3つのノードを提供する。FC630では「FluidCache for SAN」を活用してフラッシュストレージをプール化し、さらなる高速化も可能という。

 さらに2015年前半には、クォーター幅でInfiniBandに対応した「PowerEdge FC430」、フル幅の4ソケットサーバー「PowerEdge FC830」、最大16台のドライブを搭載可能なストレージ「PowerEdge FD332」といったノードもラインアップに追加する予定だ。

 例えば「Webホスティングに使うため、集約性を重視して全て『PowerEdge FM120x4』で構成する」「仮想化基盤として利用するため『PowerEdge FC630』中心に構成する」「Hadoopクラスタとして活用するため、『PowerEdge FC630』にストレージノードを組み合わせていく」といった具合に、用途に応じて細かな粒度で組み替えられるという。

 また、最大で20台のシャーシを一元管理可能なシャーシ管理コントローラー(CMC)を実装している他、デルのエンタープライズ向けハードウェア管理システム「OpenManage Essentials」を用いた管理が可能なこともポイントという。設置導入から運用、メンテナンスに至るまで、ITインフラのライフサイクル全体にまたがって、工数やコストを大幅に削減できると同社は説明している。

 価格は、Dell PowerEdge FX2が25万9000円から、Dell PowerEdge FC630が67万8000円から、Dell PowerEdge FM120x4は31万1000円から。いずれも12月3日に出荷を開始する。

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