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» 2022年09月16日 05時00分 公開

Excel(エクセル)のプルダウンリスト(ドロップダウンリスト)を作成する方法Tech TIPS

部署名や都道府県など、Excelで入力するデータが決まっているような場合、プルダウンリストを作成しておくと入力効率をアップできる。半角と全角が混じってしまうような入力ミスも防ぐことができる。本稿では、プルダウンリストを作成する方法を紹介する。

[小林章彦デジタルアドバンテージ]

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対象:Excel 2013/2016/2019/2021/365


決まった項目の入力にはプルダウンリストが便利 決まった項目の入力にはプルダウンリストが便利
部署名や都道府県の決まった入力項目には、プルダウンリストを設定しておくと入力ミスなどを防ぐことができる。プルダウンリストの作り方を紹介しよう。

 「Microsoft Excel(エクセル)」で表を作成する際、部署名や都道府県名、性別、支店名といったあらかじめ入力するデータが決まっている場合、いちいちその項目をキー入力するのではなく、「プルダウンリスト」(「ドロップダウンリスト」や「プルダウンメニュー」などとも呼ばれる)を作成しておくと、入力の手間が省けて便利だ。

 プルダウンリストから1つのデータを選択するように設定しておけば、入力が簡単になるし、半角と全角の文字が混じってしまうような入力ミスも防げる。そこで本稿では、Excelでプルダウンリストを作成する2種類の方法を紹介する。

[データの入力規則]ダイアログでリストを設定する方法

 性別などのようにリストの項目数が少ない場合は、[データの入力規則]ダイアログに項目を直接入力するのが簡単だ。

 Excelのシート上でプルダウンリストを設定したいセルを選択し、[データ]タブの[データツール]にある[データの入力規則]をクリックする。[データの入力規則]ダイアログが開くので、[設定]タブの「入力値の種類」のプルダウンリストから[リスト]を選択すればよい。

 ここで「ドロップダウンリストから選択する」にチェックが入っていることを確認し、「元の値」欄にプルダウンリストに表示したい項目を「,(半角カンマ)」区切りで入力する。例えば、「1」「2」「3」「4」をプルダウンリストから選択できるようにする場合には、「1,2,3,4」と入力すればよい。

 これで[OK]ボタンをクリックすれば、プルダウンリストを設定したセルの横に[▼]のマークが付き、プルダウンリストから入力項目を選択できることが示される。デフォルトの値や性別といった入力項目を示す文字を表示したセルに対してプルダウンリストを設定する場合は、事前にその文字をセルに入力した上で、プルダウンリストを設定すればよい。

[データの入力規則]ダイアログでリストを設定する(1) [データの入力規則]ダイアログでリストを設定する(1)
プルダウンリストを設定したいセルを選択し、[データ]タブを開き、[データの入力規則]をクリックする。なお選択するセルは、空白セルである必要はなく、「性別」などの説明を入力しておいてもよい。
[データの入力規則]ダイアログでリストを設定する(2) [データの入力規則]ダイアログでリストを設定する(2)
[データの入力規則]ダイアログを開き、[設定]タブの「入力値の種類」のプルダウンリストから[リスト]を選択する。「ドロップダウンリストから選択する」にチェックが入っていることを確認し、「元の値」欄の入力ボックスにリストに入れたい項目を「,(半角カンマ)」区切りで入力する。
[データの入力規則]ダイアログでリストを設定する(3) [データの入力規則]ダイアログでリストを設定する(3)
設定したセルの右側に[▼]のマークが付き、プルダウンリストがあることが示される。[▼]をクリックすると、画面のようにプルダウンリストが表示され、そのリストから入力項目が選択可能になる。

別のセルやシートにリストのデータを用意する方法

 リストの要素が少ない場合は、直接ダイアログボックスに指定する方が楽だ。しかし都道府県や東京23区などの項目数が多いプルダウンリストを、ここに入力して作成するとなると、間違えや抜けを起こしやすく、変更があった場合に編集もしにくい。このように項目が多いような場合は、同じシート上の別のセルや別のシートにリストを作成し、そこを参照するようにするとよい。

 それには、事前に別のセルやシートにリストを作成しておく必要がある。その後、プルダウンリストを設定したいセルを選択し、[データ]タブの[データツール]にある[データの入力規則]をクリックする。

 [データの入力規則]ダイアログが開くので、[設定]タブの「入力値の種類」のプルダウンリストから「リスト」を選択する。「ドロップダウンリストから選択する」にチェックが入っていることを確認し、「元の値」の入力ボックス右脇の[↑]ボタンをクリックした後、リストにしたい項目が入力されたセルを選択して[Enter]キーを押せばよい。[データの入力規則]ダイアログに戻るので、[OK]ボタンをクリックすると設定は完了だ。

別のセルやシートにリストのデータを用意する(1) 別のセルやシートにリストのデータを用意する(1)
事前にプルダウンリストに表示したいリストを作成しておく。
別のセルやシートにリストのデータを用意する(2) 別のセルやシートにリストのデータを用意する(2)
[データの入力規則]ダイアログを開き、「元の値」の入力ボックス右脇の[↑]ボタンをクリックする。
別のセルやシートにリストのデータを用意する(3) 別のセルやシートにリストのデータを用意する(3)
事前に作成したリストの中でプルダウンリストに表示したいセル範囲を選択する。
別のセルやシートにリストのデータを用意する(4) 別のセルやシートにリストのデータを用意する(4)
設定前に選択したセルにプルダウンリストが作成される。そのプルダウンリストには、設定中に選択したセル範囲の内容が表示される。

あらかじめ「名前の定義」でリストに名前を付けておくと便利

 別のシートにリストにする項目を用意しているような場合、[データの入力規則]ダイアログでセルの範囲を指定するのが面倒なことがある。また、項目数が変わってしまう場合も、その度に[データの入力規則]ダイアログでセルの範囲を指定し直す必要がある。

 このような場合、リストに「名前の定義」で名前を付けておくと便利だ(Tech TIPS「Excelの『名前の定義』でセルの範囲に名前を付ける」参照のこと)。セル範囲を選択し、[名前ボックス](通常はセル番号が表示されている、表左上のボックス)に付けたい名前を入力して[Enter]キーを押せばよい。これで、その名前でセル範囲が指定できる。例えば、「部署名」という名前を定義しておいた場合、データの入力規則]ダイアログの「元の値」の入力ボックスには「=部署名」と入力すれば、別シートであっても参照できる。

リストに「名前の定義」で名前を付ける(1) リストに「名前の定義」で名前を付ける(1)
プルダウンリストに表示したいセル範囲を選択し、「名前の定義」で名前を付ける。
リストに「名前の定義」で名前を付ける(2) リストに「名前の定義」で名前を付ける(2)
[データの入力規則]ダイアログの「元の値」欄に「=<名前>」を入力するだけで、セル範囲が指定できる。

 また、項目数が増えたような場合でも、「名前の定義」で指定した範囲を変更するだけで、プルダウンリストに反映できる(リストの途中に追加した場合は範囲の変更も不要)。[数式]タブの[定義された名前]グループにある[名前の管理]をクリックして表示される[名前の管理]ダイアログで「参照範囲」を増えたリストに合わせれば、「名前の定義」で指定した範囲を変更できる。

名前の参照範囲を変更する(1) 名前の参照範囲を変更する(1)
項目を追加したい場合は、リストの下に追加して、[数式]タブの[名前の管理]をクリック、[名前の管理]ダイアログの「参照範囲」を変更すればよい。なお、リストの途中に項目を追加した場合は、「参照範囲」を変更する必要はない。
名前の参照範囲を変更する(2) 名前の参照範囲を変更する(2)
追加した項目がプルダウンリストに反映される。[データの入力規則]ダイアログの「元の値」を修正する必要はない。

プルダウンリストの項目を変更する方法

 プルダウンリストの項目を変更したり、追加/追加したりする場合は、対象となるセルを選択してからもう一度[データの入力規則]ボタンをクリックして[データの入力規則]ダイアログを開く。そして「元の値」に入力したリストを編集したり、別のセルやシートで作成/変更したリストを選択し直したりすればよい。

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