図3は、アクセスモードでスイッチとルーターを接続した場合のイメージです。
アクセスモードでのスイッチとルーター間の接続には、VLANの個数と同数の論理上のスイッチ(=VLAN)が存在します。VLANの生成は、そのVLAN用のスイッチを新たに用意することに相当します。
この接続方式ではルーターはVLANを意識しません。VLAN間ルーティングを行うためには、ルーターとスイッチのそれぞれにVLANと同じ数のインターフェースが必要です。さらに、スイッチにはクライアントPCなどの終端機器との接続用の設定が必要です。
図5は、図3のルーターとスイッチの設定コマンドです。
スイッチのポートにおけるVLANへの登録状態は「Switch# show vlan brief」コマンドで確認します。
ルーターに実装されるイーサネットのインターフェースのほとんどは、標準で2ポートまでのものです。このため、三つ以上のVLAN間をルーティングさせるためには、ルーターとスイッチ間をトランク接続しなければなりません。
トランクポートを使用するVLAN間ルーティングは、ルーターとスイッチの接続ポート数を減らせます。ルーターとスイッチを1本のケーブルで接続することから「ルーター オン ア スティック(Router On A Stick)」とも呼ばれます。
ルーターとスイッチを接続しているケーブル内でVLANを区別するために、「VLANタグ」が使われます。トランク接続の終端となるスイッチとルーターの両方で、トランク接続用の設定が必要です。
図8は、図7の設定コマンドです。
ルーター設定のポイントは、物理インターフェース(interface Gi0/0)に「no shutdown 」コマンドを忘れずに入力することです。
物理インターフェースがshutdown状態のままでは、どんなサブインターフェース(Gi0/0.10など)を作成しても有効になりません。また、運用管理の利便性を考え、サブインターフェースの番号はVLAN-IDと合わせることが推奨されます。
スイッチ設定のポイントは、トランクポートの設定を行うことです。
不用意にデータを流さないよう、トランクポートでは通過を許可するVLANを指定する設定も併せて行う方が良いです。通過を許可するVLANを指定するコマンドは、トランクポートとするインターフェースの設定モードで「switchport trunk allowed vlan xxxx(xxxxはVLAN-ID)」です。
ルーターとスイッチをトランク接続すると、接続インターフェース数を最小限に抑えられます。その半面、トランク接続した回線にデータトラフィックが集中することから、ネットワーク全体のボトルネックとなることが想定されます。
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