2004年の法律改正により、派遣社員の派遣期間の上限は多くの業種で3年、そして政令26業種は無期限となった。
1号 ソフトウエア開発、2号 機械設計、3号 放送機器など操作
4号 放送番組など演出、5号 事務用機器操作、6号 通訳、翻訳、速記
7号 秘書、8号 ファイリング、9号 調査
10号 財務処理、11号 取引文書作成、12号 デモンストレーション
13号 添乗、14号 建築物清掃、15号 建築設備運転、点検、整備
16号 案内・受付、駐車場管理など、17号 研究開発、18号 事業の実施体制の企画、立案
19号 書籍などの制作・編集、20号 広告デザイン、21号 インテリアコーディネーター
22号 アナウンサー、23号 OAインストラクション、24号 テレマーケティングの営業
25号 セールスエンジニアの営業、26号 放送番組などにおける大道具・小道具
「政令で定める26業種(厚生労働省)」より抜き書き |
上記は「政令26業種」の一覧である。第1号、第5号、第12号など、ITエンジニアの業務のほとんどが含まれていることが分かるだろう。
期間制限には「派遣先事業所単位の3年」と「個人単位での3年」があるが、ここでは個人単位をベースに考えてみよう。
これまで派遣エンジニアは、期間の上限なく同じ派遣先で働くことができた。しかし今回の改正により、他の業種同様、上限3年という制限がかけられた。期間が制限されることにより、3年ごとに職場を変えなければならなくなり、最悪、2009年の「派遣切り」のときのように、職を失うエンジニアが続出してしまわないだろうか?
この問題について、高橋氏は「あまり影響はないのでは」と推測する。「そもそもITのプロジェクトが3年を超えることがあまりないし、優秀な派遣社員であれば、3年という期限が来る前に派遣先企業から正社員の打診が行われることも多い。技術力のあるエンジニアであれば、『3年ルール』を怖がる必要はないのでは」との見解だ。
ちなみに3年ルールが適用されるのは、登録型の派遣スタッフだけだ。「平成27年労働者派遣法改正法の概要」の「期間制限の例外」を見ると、「派遣元事業主に無期雇用される派遣労働者を派遣する場合」とあるので、派遣元会社の正社員(現在の特定派遣社員)であれば、3年を越えて同じ派遣先での勤務も可能だ。
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