日本IBMは、実際のAPI作成までを3ステップで支援する「APIクイック・スタート・プログラム」の提供を開始したと発表した。また、APIの活用に役立つAPI管理ソフトウエア「IBM API Management」と、APIを保護するゲートウエイ製品「IBM DataPower Gateway仮想エディション」の二つを開発者向けに1年間無償で提供することも明らかにした。
日本IBMは2015年11月12日、実際のAPI作成までを3ステップで支援する「APIクイック・スタート・プログラム」の提供を開始したと発表した。API(Application Programming Interface)を活用した新たなサービスやアプリケーションの創出を目指す企業に向ける。また、APIの活用に役立つAPI管理ソフトウエア「IBM API Management」と、APIを保護するゲートウエイ製品「IBM DataPower Gateway仮想エディション」の二つを開発者向けに1年間無償で提供することも明らかにした。
APIクイック・スタート・プログラムが提供する3つのステップは次の通り。
(1)まず日本IBMのAPIに関する専門家が、顧客企業のIT担当者と無償で討議し、APIへの理解を深める
(2)次にビジネス担当者向けに無償でワークショップを実施してAPIに対する共通理解を深め、ビジネスにつなげるための戦略を検討する
(3)その後、日本IBMやIBMパートナーが実際のAPI開発を有償で支援する
このプログラムを実施する背景として、IBMは、「FinTech(フィンテック)」など、企業間やサービス間の連携が注目を浴びていることを挙げている。金融とテクノロジを組み合わせて新たな金融サービスを実現するFinTechの国内での盛り上がりを受け、複数のアプリケーションを連携させるために用いるAPIの整備・活用に対する関心が高まっているという。
しかし、現在、多くの企業では、API活用が必要であることは理解しているものの「APIをどのように活用すれば良いのか分からない」「自社の情報資産をAPI化によって適切に収益化できるのか分からない」といったビジネスを推進する上の課題を持っている。加えて、セキュリティへの懸念や、既存システムとの連携といった技術的な課題もある。
さらに、API活用では、さまざまなアイデアを外部のスタートアップ企業や開発者コミュニティなどと共同で創出する必要があるが、多くの企業では外部の技術者らと連携するノウハウを持っていない。
APIクイック・スタート・プログラムは、こうした課題を解決し、企業のAPI活用を促進することが目的だという。
一方、1年間の無償提供を開始したIBM API Managementは、APIの作成や公開、運用、分析、管理などを支援し、サービス開発のスピードを向上させられるという。日本IBMが提供するクラウドサービス「Bluemix」でも提供されており、スタートアップ企業などが提供するAPIとの接続も容易だという。有償で「IBM API Management for Bluemix」を利用する場合の参考価格は、10万回コール当たり593円(税別)から。
この他、米IBMが2015年9月に買収すると発表した、企業向け「Node.js」ソリューションのプロバイダーである米StrongLoopのソフトウエアを活用することで、Node.jsに準拠したAPIを開発できる。「IBM SDK for Node.js for Bluemix」は100Gバイト時間の使用当たり735円(税別)から利用可能である。
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