ネットワーク機器もオープン化へ。フェイスブックでは100ギガビットイーサネット対応スイッチ「Wedge 100」の開発も表明した。
米フェイスブックは、同社が発足したデータセンター向けのオープンなハードウエアを推進する「Open Compute Project」に、スイッチのハードウエア仕様となる「Wedge」が正式に採択されたと発表。Wedgeの詳細な仕様書も公開され、誰でも入手可能になりました。
Wedgeの基本的な構成は、いわゆる「マーチャントシリコン」と呼ばれるチップベンダーが市販しているネットワーク機器用のチップ(汎用部品)と、それを制御するx86ベースのサーバーです。
今回、その設計図が公開されたことで、誰でもWedgeをベースにカスタマイズしたスイッチを、台湾などのODM(Original Design Manufacturing)ベンダーに発注することができるようになりました。
また今後はWedgeをベースにしたオープンなホワイトボックススイッチ(スイッチ制御ソフトウエアがインストールされていないスイッチ)などが市場に登場してくることでしょう。
これまで、ネットワーク機器はネットワークベンダーが開発するものであり、その内部はブラックボックスになっていました。そのため、スイッチ制御ソフトウエアもベンダー独自のもので、顧客がカスタマイズする余地はほとんどなかったといえます。
しかし、Wedgeの仕様がオープンになり、フェイスブックは既にWedgeに対応したスイッチ用Linux OS「FBOSS」も公開しています。
今後、ネットワーク機器もx86サーバーのように、さまざまなベンダーから提供されるスイッチハードウエアと、スイッチソフトウエアを組み合わせて利用できる時代――いわゆるホワイトボックススイッチの時代がやってくると、多くのベンダーやユーザーが考え始めています。
フェイスブックは既に自社のデータセンター内で数千台のWedgeを稼働させているとし、Wedgeの高性能版として100ギガビットイーサネットに対応し32ポートを備えた「Wedge 100」の開発も表明しています。
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