EMCジャパンは、ストレージ装置とパブリック/プライベートクラウドをシームレスに接続する製品群6種の提供を開始する。
EMCジャパンは2015年12月8日、ストレージ装置とクラウドをシームレスに接続する製品群6種の提供を開始すると発表した。パブリック/プライベートクラウドを含むITインフラ全体を透過的に管理する内容だ。
今回、新しい製品/ソリューション群として発表されたのは以下の6製品。
EMC CloudBoost 2.0は「CloudBoost」の最新バージョン。CloudBoostは「EMC Data Protection Suite」や「Data Domain」などの既存のデータ保護製品において、クラウドストレージを利用可能にするもの。EMCおよびパートナークラウドの他、Google Cloud、Microsoft Azure、Amazon Web Servicesなどからクラウドプロバイダーを選択できる。
新バージョンでは全体的な性能や拡張性、管理性を強化しており、ローカルにデータをキャッシュし、簡単にクラウド環境に移動できるようにしている。スループットは従来バージョンの3倍に、管理可能なデータ容量は15倍に向上しているという。これにより、クラウド向けに新たな仕組みを用意することなく、重複排除と差分リストアを実行できる。価格は、仮想アプライアンスが75万円から(税別)。物理アプライアンスが375万円から(税別)。
重複排除機能を持つバックアップ用ストレージ製品「Data Domain」用OSの最新バージョンであるEMC DDOS 5.7では、容量管理機能を強化している。さらに、マルチテナント対応や高密度構成を実現したことで、TCO(総所有コスト)を削減できるとしている。価格は、新規アプライアンスを購入する場合で112万5000円から(税別)。
データ保護ソフトウエア「NetWorker」の最新バージョンであるEMC NetWorker 9では、データの保存先に関係なくデータ保護のプロセスを自動化・簡素化する、新しい「ユニバーサルポリシーエンジン」を提供する。
ストレージ階層内で保護データを移動するプロセスを、事前定義したポリシーに基づいて自動化する。迅速なアクセスが必要な保護データはローカルに格納し、動きのないコールドデータをコスト効率の良いクラウドへと、系統立てて格納する。さらに、「EMC ProtectPoint」の統合管理や、Windows環境とLinux環境の両方でブロックレベルの保護機能を提供する。価格は、1Tバイト当たり118万7500円から(税別)。
クラウドゲートウエイ製品であるEMC CloudArrayの機能を拡張し、ハイエンドストレージ製品「VMAX」とクラウド環境の接続を可能にする。VMAXとミッドレンジストレージ製品「VNX」で、プライベートクラウドとパブリッククラウドの両方を通じて、ユーザー自身が無停止で階層化できる。
さらに、データセンター全体でストレージの階層化を行う「FAST.X」も機能強化したことでVMAXの統合範囲を広げ、EMCのストレージ製品だけでなくEMC以外のストレージ製品からもパブリッククラウドへの階層化が可能になった。VMAXをEMC CloudArrayや、SAN(Storage Area Network)、ネットワークスイッチにつなぐだけで、すぐにデータセンターでクラウドのメリットを活用できる。
EMC VPLEXは、パブリッククラウドとプライベートクラウドの両方で、VMAXよりも小規模で低価格な製品VNXを用いて、VMAXと同等のデータの階層化を可能とするもの。2016年第1四半期に提供開始を予定しているという。
EMC CloudPoolsは「EMC Isilon」とクラウドをつなぐ新機能。
最近のIT部門では、急速に変化するビジネスニーズへの対応が求められており、高い信頼性と管理性を提供するプライベートクラウドと、低コストでほぼ無制限の容量を提供するパブリッククラウドの両方を活用するケースが少なくない。
こうしたことからEMCジャパンでは、ストレージおよびデータ保護製品ポートフォリオ全体で、パブリック/プライベートクラウドを含むITインフラ全体をシームレスに利用し、かつ、自動階層化やデータ保護を柔軟に行えるように、製品体系を強化したといえる。
今回発表された製品群は、2015年11月30日に公開されたブログ記事「Make It Rain With Your EMC Hybrid Cloud」で示されたEMCのハイブリッドクラウド戦略の一部を担うものだという。
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