「エンジニアは、高いストレスを感じている」ことが調査結果によりあらためて分かりました。あなた一人じゃありません。@ITの過去記事を参考に、「おかしいなと思ったら、すぐ対処」しましょう。
2015年12月1日、従業員50人以上を抱える企業へ「ストレスチェックの実施」が義務付けられました。この労働安全衛生法の改正を踏まえ、IT人材育成支援を行うITスキル研究フォーラム(iSRF)が、ITエンジニア職の労働環境に関する調査を行ったところ、あらためて「業務環境において、ITエンジニアは他業種より高いストレスを感じている」ことが分かりました。
ITエンジニア職はご存じの通り、近年、多忙や人材不足が叫ばれる職種です。他業種も含めた厚生労働省による調査結果の約1.8倍となる、約17.8%が高いストレスを感じていると答えました。
特に、長時間労働を強いられる状況の人はその傾向が顕著です。月間労働時間が200時間を超えると、「高ストレス」者が約26.4%まで上昇します。「やや高ストレス」と答えた人も合わせると、解答者の半数近くが労働時間の長さに起因したストレスを感じていることが伺えます。また、大企業に在席する人ほどストレス率が高くなるようです。従業員数5000人を超える企業では、全体平均の17.8%より高い、約25%が高ストレスを感じていました。
一方、経済産業省が定めたエンジニアの「ITスキル基準(ITSS)」に基づくスキルレベル別に分析すると、興味深い結果が得られています。ハイレベルの人はほとんどストレスを感じていません。高ストレス者の割合は約2.3%で、ミドルレベル(約17.3%)やエントリーレベル(約20%)に比べると大きな差がありました。
そもそも天才である。スペシャリストであるが故、自分の裁量で活動できる。フリーランスで活動している。他人より仕事率が高く、効率的である。こんな理由が考えられます。
とは言っても仕事だし……。それも分かります。
しかし、早期対策も重要です。@ITには「解決できるかもしれない」記事がたくさんあります。週末はゆっくりこれらの記事を読んでみてはいかがですか?
ストレスチェックとは、従業員が労働環境や状況をどう感じているか、この精神的重圧(ストレス)の傾向を把握するための質問調査です。
無理を強いる労働条件や劣悪な労働環境の会社を指す“ブラック企業”といった言葉が知られるようになりました。ビジネスパーソンが置かれる現状として、精神的重圧が原因でメンタルヘルスの不調を訴える人が年々増加していることが背景にあります。厚生労働省の「平成25年 労働安全衛生調査(実態調査)」によると、過去1年間にメンタルヘルスの不調により連続1カ月以上休業、または退職した労働者がいる会社の割合は10%に上っており、前回の調査より約2ポイント上昇しています。
ストレスチェックは、企業として社内の労働状況を把握すること、そして自身も実はストレスを感じていることに気付かせ、メンタルヘルスの不調などを未然に防ぐ対策を取ることなどを目的にしています。企業は年に年一回の調査実施と、労働基準監署への実施状況報告を行う必要があります。
ストレスチェック制度では、企業は以下の四つの項目に取り組むべきとされています。
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