住居選択において、経済的重要性を持つポイントの一つが、どこに住むかという「立地」だ。
住居の立地は、日々の「時間」と「コンディション」に大きな影響を与える。例えば、30分通勤と1時間通勤では、出勤日1日当たり、往復1時間の差が出る。
時間の差に対するコストを「時給」で計算してみよう。
1日8時間労働のエンジニアが年間250日出勤したら、年間の労働時間は2000時間だ。この時間で年収を割ると、時給を計算できる。年収1000万円なら、時給は5000円だ。
年収1000万円÷年間労働時間(1日8時間×250日=2000時間)=時給5000円
年間出勤日を12で割ると、月間出勤日数は20.8日となる。この日数に上記の時給を掛けてみよう。1時間通勤の人は30分通勤の人より、1カ月に10万4000円も余計にコストを掛けている計算になる。
月間出勤日(年間250日÷12カ月=20.8日)×時給5000円×1日当たりの通勤の時間差1時間=コスト10万4000円
多忙なエンジニアの場合、「1時間」がもたらす「睡眠時間の差」と「通勤の追加的ストレス」が仕事の能率に与える影響も考えるべきだろう。
知的職業に携わっておられる方なら、5時間睡眠の頭脳と6時間睡眠の頭脳の「生産性」の差と、それがもたらす「気分」の差をよくご存じだろう。生産性の差は「評価」の差につながり、将来どのような仕事ができるかの違いにもつながる。
なお、最適な住居の立地は、家族の事情によっても変化する。典型的なのは、子どもの教育環境の選択だ。居住地を変えやすいことは、賃貸住まいのプラス要因だ。ということで、次ページでは、持ち家と賃貸について考えていこう。
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