エンジニアがエンジニアとして生き残るためには、ビジネス的な観点が必要だ。ビジネスのプロである経済評論家の山崎元さんがエンジニアに必要な考え方をアドバイスする本連載。今回は「エンジニアの住居戦略」を考える。
エンジニアが社会で生き抜くための考え方やノウハウを伝授する本連載。前回はエンジニアをスポーツの選手とコーチに例え、エンジニアが成長し続けるには、選手であり続けることが正解なのかを考えた。
今回のテーマは「住居選び」だ。近年、U&Iターンで地方に移住するエンジニアや、リモートワークで会社に出社せずに働くスタイルを取るエンジニアが、少しずつ増えてきた。エンジニアの「働きやすさ」に影響する「住宅」について、経済評論家の視点で解説する。
生活の基礎を表す「衣食住」という言葉がある。それぞれ、「着るもの(衣料品)」「食べるもの(食品)」「住むところ(住居)」を指すが、多くの人が一番お金を掛けているのは「住」だろう。
※持ち家に住み、ローンがない人もいるかもしれないが、その場合は持ち家購入や相続に掛かった費用、固定資産税などがあるので、人生全体で見ると、それ相応のお金を掛けていることになるだろう(編集部注)
FP(ファイナンシャルプランナー)は、収入(年収、額面)に占める住居費(家賃やローン)の比率は、4分の1ぐらいが理想的であり、3分の1くらいが上限だと言うことが多い。しかし、貴重な時間を確保するために会社の近くに住んで、それなりに重い家賃負担に耐えている忙しいエンジニアは少なくないのではないだろうか。
仕事の対象物に対して最大の「効率」を求めることが多いエンジニアでも、住居に関してはむとんちゃくな人は少なくない。おそらく「仕事で妥協はできないけれど、私生活では面倒なことは考えたくない」と思っているのではないだろうか。気持ちはよく分かる。
とはいえ、住居の選択は経済的に影響が大きい。重要な考え方のポイントを確認しよう。
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