.NET 4以降のWPF/UWPアプリで、RunコントロールのTextプロパティを使い、テキストの一部の内容だけをユーザーの入力に応じて変更する方法を解説する。
対象:.NET 4以降
テキストブロックに長いテキストを表示するとき、その一部分だけをデータバインディングしたいことはないだろうか? テキスト中の日付/名前/品名といった部分だけを、データバインディングによって変化させたいというような場合である。.NET 4のWPFからは、それが可能なのだ。本稿ではその方法を解説する。
先に実行例をお見せしよう(次の画像)。上部の長いテキストで色の付いた太字の部分が、データバインディングしている部分である(2箇所)。この例では、下部に配置したテキストボックスに入力した文字列をバインドしている。このようにテキストの折り返しがある場合は、複数のテキストブロックを並べるという方法では実現するのは難しい。
バインドしたい部分にRunコントロール(System.Windows.Documents名前空間)を配置し、そのTextプロパティにデータバインディングすればよい。ただし、RunコントロールはWPFの最初からあるのだが、Textプロパティにバインドできるのは.NET 4からなので、気を付けてほしい。
上の画像の実行例のコードを示すと次のようだ。この例ではUIコントロール同士をバインドしているので、コードビハインドに追加するコードはない。
<TextBlock TextWrapping="Wrap" ……省略……>
長いテキストの一部、
例えば
「<Run Foreground="Green" FontWeight="Bold"
Text="{Binding Text, ElementName=textBox1}" />
は
<Run Foreground="DarkRed" FontWeight="Bold"
Text="{Binding Text, ElementName=textBox2}" />
です」
というように、バインドできます。
</TextBlock>
……省略……
<TextBlock ……省略……>バインド1</TextBlock>
<TextBox x:Name="textBox1" Foreground="Green" ……省略…… />
<TextBlock ……省略……>バインド2</TextBlock>
<TextBox x:Name="textBox2" Foreground="DarkRed" ……省略…… />
上のコードでは、RunコントロールのTextプロパティをデータバインディングしている。その他にForegroundプロパティとFontWeightプロパティも指定しているので、先の画像のように色付きで太字になっている(指定しなければ他の文字と同じになる)。また、Runコントロールの前後で改行しているため、それが画面では1文字分の空白が挿入されて表示される(他の文字との間に空白を入れたくないときは、改行しないようにする)。
なお、データバインディングの必要がなければ、文字に色を付けたりするのにRunコントロールだけでなくSpan/Bold/Italic/Underlineといったコントロールも利用できる(いずれもSystem.Windows.Documents名前空間)。また、テキストブロック内で改行するにはLineBreakコントロール(System.Windows.Documents名前空間)を使う。
テキストブロックの一部分だけをデータバインディングするにはRunコントロールを使う。ただし、バインドできるようになったのは.NET 4からなので注意してほしい。
利用可能バージョン:.NET Framework 4以降
カテゴリ:WPF 処理対象:データバインディング
カテゴリ:WPF/XAML 処理対象:TextBlockコントロール
使用ライブラリ:Runコントロール(System.Windows.Documents名前空間)
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