米Evans Dataは新しい調査報告書で、AIに仕事を奪われることを懸念するソフトウェアエンジニアが3割に上ると指摘している。
米国の調査会社Evans Dataが2016年3月8日(米国時間)に発表した調査報告書概要によると、ソフトウェア開発者のおよそ3割が人工知能(AI)の台頭で自らのキャリアやスキルの陳腐化が進むことを懸念していることが分かった。
この調査報告書は、同社が行った年次調査「Developer Marketing 2016」の結果をまとめたもので、今週中に報告書全文が公表される。
この調査は、世界のソフトウェア開発者550人超を対象としたもの。「自分のキャリアの中で最も心配なことは何か」という質問に対し、最も回答が多かったのは、「自分が陳腐化し、開発の仕事がAIに奪われること」だった。こう回答したのは全体の29.1%で、プラットフォームに関する懸念よりも大幅に高い結果だった。例えば、「自分のターゲットプラットフォームが時代遅れになること」と回答した開発者は2番目に多かったが、全体の23%にとどまり、「自分がターゲットにしている新しいプラットフォームが普及しないこと」の回答率も14%だった。
また、回答者の間では、AIの台頭によるキャリアやスキルの陳腐化は、「年金なしで老いること」「管理がずさんなせいで仕事がつらいこと」「自分のスキルやツールが重要ではなくなり、仕事がつらいこと」と比べても大きな心配事となっていた。
AIについて懸念している開発者は、業種やターゲットプラットフォームに関わらず広く見られたが、「自分はチームプレーヤーというよりも個人プレーヤーだ」と考えている開発者の中に占める割合が高かった。
Evans Dataのジャネル・ガービンCEOは、声明で次のように述べている。「今回の調査結果でもう1つ重要なことは、4分の3以上の開発者が、ロボットやAIは人類に大きな恩恵をもたらすだろうと考えているが、その一方で、60%強の開発者が、これらは災難をもたらす可能性があると考えていることだ。この2つの回答者グループが重なっていることは明らかだ。これは、最近登場し始めているインテリジェントマシンに対して、開発者の間には相反する両方の見方があることを示している」
Evans DataのDeveloper Marketing 2016調査では、開発者の人口統計学的属性や所属企業に関わる属性、心理学的属性、開発者向けマーケティングに関わるトピックについての調査が行われた。
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