GitHubは、カスタマイズ性が高いオープンソースのテキストエディタの最新安定板「Atom 1.6」を公開した。
米GitHubは2016年3月17日(米国時間)、オープンソースのテキストエディタの最新安定板「Atom 1.6」をリリースしたと公式ブログで発表した。
Atomは自由にカスタマイズができるテキストエディタで、2015年6月にバージョン1.0が公開された。Atom 1.6はOS X 10.8以降、Windows 7以降、Red Hat Linux、Ubuntu Linuxにそれぞれ対応したインストールプログラムがダウンロード配布されている。
公式ブログによると、Atom 1.6の主な改良点は以下の通り。
「ペンディングペインアイテム」機能は、実際にファイルを開いて新規にタブを用意するのではなく、同一のタブの中でプレビューを表示する仕組みだ。これにより、ファイルを「開く」操作をせずに内容を素早く確認していくことができる。
左側のペインで、ツリービューまたは検索結果一覧からファイルをシングルクリックすると、そのファイルがメインペインに「ペンディングタブ」として開く。左側のペインの別のアイテムを開くと、メインペインにタブが追加されるのではなく、ペンディングタブが切り替わる。これにより、複数のファイルを次々にクリックして内容を素早く確認していくことができる。
開いたペンディングタブを固定したい場合は、ファイルかタブをダブルクリックするか、ペンディングタブ内のテキストを編集すると、タブは自動的に固定される。
このペンディングペインアイテム機能は、エディタ設定の「Core Settings」セクションから無効にすることもできる。
従来のAtomでは、ペインの分割、移動などを行う管理コマンドは改善の余地が大きかったが、Atom 1.6では新しいコマンドが多数追加され、ペインを扱いやすくなった。新しいコマンドをキーバインドすることもできる。
「ブロックデコレーション」APIにより、Atomの拡張機能の開発者は行間にDOMノードを挿入できる。この新しいAPIを使えば、行内差分やコード評価、画像プレビューといった多くの新しい使い方が可能になる他、コードを書きながら「Nyan Cat」を見るなどの“重要な”使い方もサポートできる。
Atom 1.6には、Node.jsなどを使ってGitリポジトリを操作する「NodeGit」がバンドルされている。新たに実装された「GitRepositoryAsync」クラスでは、このNodeGitを使って、既存の「GitReository」クラス代わる、「Promise」ベースのAPIを提供する。PromiseはJavaScriptの非同期処理の実装を容易にするAPIパターン。これにより、拡張機能の開発者は同期リポジトリから非同期リポジトリを取得することができる。なお、Atomエディタの開発元で、Gitサービスを提供する「GitHub」では、将来的にGitRepositoryクラスを非推奨とする予定であるため、拡張機能の開発者は「GitRepositoryAsync」クラスを使って拡張機能をできるだけ早く更新してほしいと呼び掛けている。
拡張機能の開発者がエディタと同じ幅のUI要素を追加するためのAPIが導入された。これを使えば、Atomのすぐ上にツールバーを追加して表示させたり、すぐ下にステータスバーを追加して表示させたりすることができる。
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