三菱東京UFJ銀行は、FinTechをテーマとしたハッカソンイベント「Fintech Challenge 2016 “Bring Your Own Bank!”」を開催した。この記事では、ハッカソン最終日に行われた12チームによるプレゼンテーションの概要と、審査結果をレポートする。
「Finance(金融)」と「Technology(技術)」を足した造語である「FinTech」。その旗印の下、IT技術によって金融に関わるさまざまな業務や処理を利便化し、ビジネスの拡大を図る動きが国内金融業界から大きな注目を浴びている。大手銀行からスタートアップまで「FinTech」という言葉を用い、新しいビジネスを展開するニュースが相次いでいる。言葉が氾濫する一方で、必要な技術について理解し、どのように生かすべきか戦略を立てられている企業は、まだ多くないのではないだろうか。本特集では金融業界がFinTechでビジネスを拡大するために必要な技術要件を浮き彫りにし、一つ一つ解説していく。
テクノロジーの活用によって、サービスの使い勝手を高めたり、新たなビジネスを生み出したりする金融サービス分野での取り組み「FinTech」が注目を集めている。この分野では、技術面での先進性を武器にサービスを展開するベンチャー企業だけではなく、既存の銀行や証券各社も、自社の持つノウハウ、強みを生かしながら、外部の企業とも協働する形で、ビジネス拡大を目指す動きを強めている。
こうした背景の下、日本における3大メガバンクの1社にも数えられる三菱東京UFJ銀行は、FinTechをテーマとしたハッカソンイベント「Fintech Challenge 2016 “Bring Your Own Bank!”」を開催した。同行による「Fintech Challenge」は、2015年に引き続き、今年が2回目の開催となる。
今回のテーマは「より身近で便利なIT×金融のサービスづくり」。同行がAPIgeeやTISと共にハッカソン向けに用意した「銀行API」群(下記参照)と、Uber、NTTドコモ、ぐるなび、KDDIウェブコミュニケーションズ、リクルートWebサービス、Sansan、日本IBM、BASE、三菱総研DCSといった「APIパートナー」が提供するAPI群とを組み合わせて、新たなサービスを創出することを目指した。
ハッカソンには、個人、法人を問わず、エンジニアが1名以上いる5名までのチームによる参加が可能とされた。チームの募集は2016年1月12日から2月10日までの間に行われ、3月4日に「アイデアソン」、3月12、13日の両日に実際の開発を行う「ハッカソン」が実施された。ハッカソン2日目の午後より、各チームによるプロトタイプのプレゼンテーションと、入賞作の審査が行われた。
審査基準は、開発されたサービスの「利便性(世の中を便利にするサービス)」「先進性(これまでになかった発想と技術)」「完成度(プロトタイプの質)」の3点となっており、以下の4名の審査員によって各賞が選出された。
最終的にプレゼンテーションを行ったのは12チーム。ここからは、各チームの発表内容と、審査結果についてお伝えする。
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