The Linux Foundationが、社会インフラに向けたサービスを提供するためのソフトウェア基盤「Civil Infrastructure Platform」を発表した。
The Linux Foundationは2016年4月4日(現地時間)、オープンソースフレームワーク「Civil Infrastructure Platform」(CIP)を発表した。
CIPは、電気、石油、ガス、水道、医療、通信、交通といった社会インフラサービスの提供の支援を主眼に置いたソフトウェア基盤。Linuxカーネルやその他のオープンソースプロジェクトと協力して、社会インフラ向けソフトウェアにおける基本レイヤーの確立を目指す。早期サポーターとして、Codethinkや日立製作所、Plat'Home、Siemens、東芝などが名を連ねる。
調査会社プライスウォーターハウスクーパースの調査によると、世界のインフラ市場は2012年の約4兆ドルから年率6〜7%で成長し、2025年には約9兆ドル規模に達すると予測されている。成長が見込まれる社会インフラ向けのソフトウェア開発にも、共通するソフトウェアプラットフォームが望まれつつある。それぞれが個別では、作業の重複、個別の開発時間、相互運用性などに課題が残るからだ。
CIPは、社会インフラ向けソフトウェアに欠かせない構成要素をオープンソースで用意することで、社会インフラのプロジェクトが直面する課題に対処する。これによって、開発コストや開発時間の削減、信頼性や相互運用性などを向上させるのが狙いだ。
開発コストと時間の削減については、オープンソースソフトウェアでの開発によって、数千人規模の開発者間で、開発コストを共有・管理できることに加え、実質の開発時間も削減できるとする。信頼性と相互運用性についても、エンタープライズシステムとして既に実績のあるLinuxをベースに、モジュール設計が可能なように既存の標準を統合し、相互運用性を確保する考えという。
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