OpenPOWER Foundationの次世代「OpenPOWER」システム、“50以上のイノベーション”を明らかにHPC、ビッグデータ分析を強力にサポート

POWERアーキテクチャを推進するOpenPOWER Foundationは、インフラおよびソフトウェアに関する50以上のイノベーションを盛り込んだ製品や技術を発表した

» 2016年04月08日 08時00分 公開
[@IT]

 POWERアーキテクチャを使うオープンエコシステムの構築を目指す業界団体、OpenPOWER Foundationは2016年4月6日(米国時間)、米カリフォルニア州サンノゼで同日に開幕した年次カンファレンス「OpenPOWER Summit 2016」で、システムスタック全体にわたるインフラストラクチャおよびソフトウェアに関する50以上の新製品や新技術を公開した。

photo 「OpenPOWER Foundation」のWebサイト

 2013年に創設されたOpenPOWER Foundationは近年、急速に規模が拡大しており、2016年4月現在で24カ国、200以上の企業や組織が加盟している。同団体のプレジデントを務める米IBMのOpenPOWERグローバルアライアンス担当ディレクター、カリスタ・レドモンド氏は、「今日のデータセンターの要件を満たすには、低コストで高い柔軟性とスピードを実現するオープンなシステム設計が必要になる。本日披露した数々のイノベーションは、OpenPOWER Foundationメンバーが、増大するデータワークロードと分析を実行してビジネス成果の向上につなげるための選択肢を、顧客に豊富に提供する技術インフラの構築に注力していることを示している」とOpenPOWER Foundationの意義や狙いを述べた。

 OpenPOWER Foundationメンバーが今回のカンファレンスで披露した製品や技術の概要は以下の通り。

ハイパフォーマンスコンピューティングやクラウドデプロイのための新サーバ

 OpenPOWER Foundationメンバーは、HPC(High Performance Computing)やサーバ仮想化の高度な活用を可能にする新しいOpenPOWERサーバを発表した。

 例えば米Rackspaceは、検証を進めていた「Barreleye」仕様に基づくサーバがデータセンターでの運用期に移行したと発表した。Barreleyeは同社とIBMが2016年1月に「Open Compute Project」(OCP)に寄贈したもので、OCPは同年2月に同仕様を正式に受け入れた。Rackspaceは、BarreleyeサーバがOpenStackベースの「Rackspace Public Cloud」での運用実績を持って、2016年末までにより広く利用可能になるとの見通しを示している。

 また、IBMは米NVIDIAおよび米Wistronとともに、第2世代のOpenPOWER HPCサーバをリリースする計画も公表した。このサーバでは、IBMのPOWER8プロセッサが、NVIDIAの高速相互接続技術である「NVLink」を介してNVIDIAの新世代GPU「Tesla

P100 GPU」と直接接続される仕様が盛り込まれる。2016年第4四半期の出荷開始を見込むという。

 この他、米TYANは2016年4月にPPC64アーキテクチャのPOWER8搭載1Uサーバ「GT75-BP012」を出荷する。このOpenPOWERベースプラットフォームは、1U筐体の従来同等構成比でより強力なインメモリコンピューティング機能を提供するという。

photo 第2世代のOpenPOWER HPCサーバ(写真=左) ザイリンクス製FPGAベースのCAPI準拠拡張カード(写真=右)

アクセラレーション技術へのCAPIの利用拡大

 OpenPOWER Foundationメンバーの米BittWare、IBM、米Mellanox、米ザイリンクスなどは、「Coherent Accelerator Processor Interface(CAPI)」に基づく10種類以上の新しいアクセラレータを発表。米Alpha Dataもザイリンクス製FPGAベースのCAPI準拠拡張カードを発表した。

 CAPIを利用したアクセラレータ技術は、コア、あるいは非コヒーレントインタフェースで接続されたカスタムアクセラレータで動作するアプリケーションと比べて、パフォーマンス、コスト、消費電力の面でメリットがあるとする。POWERアーキテクチャ上でビッグデータおよび分析ワークロード処理を高速化するインフラを構築する上で、今後重要な差別化要素となるという。

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