「WordPress“1000倍”高速化」チューニング 第一弾──「PHP 5.6」「OPCache」「APCu」を導入するとにかく速いWordPress(5)(2/2 ページ)

» 2016年04月12日 05時00分 公開
[中村けん牛プライム・ストラテジー]
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PHP 5.6環境を有効化する

 続いて、Webサーバ経由でのPHP 5.6環境を有効化します。

[root@ip ~]# systemctl enable php-fpm
[root@ip ~]# systemctl restart php-fpm

 これで、前回紹介したテクニックの最後に用意したApacheのevent MPM+php-fpm構成が、PHP 5.4からPHP 5.6になりました。「OPCache」と「APCu」も導入済みです。

 ブラウザでトップページにアクセスしてください。初回のみ少し時間がかかりますが、2度目以降のリロードでページのロード時間が速くなっていることが確認できます。筆者の環境では、およそ32ms前後になりました。

photo WordPressのトップページのロード時間をFirebugで確認。リロード時間は「32ms」となった

 続いてabコマンドでベンチマークを取ります。

[root@ip ~]# ab -n 100 -c 10 http://ec2-xxx.xxx.compute.amazonaws.com/
(“xxx”はユーザー固有の文字列、以下同)

 筆者の環境では、1秒当たりの同時アクセス数を示す“Requests per second”は「61.84」となりました。若干ですが、PHP 5.4よりもパフォーマンスが向上しました。ここまでのチュ−ニング内容をまとめると以下になります。

チューニング内容 ページのロード時間
(デフォルト環境比)
1秒当たりの同時アクセス数
「Requests per second」(デフォルト環境比)
デフォルト環境 176ms 11.24
APCの導入
 チューニング方法をおさらい
70ms(約251%) 29.20
OPcache+APCuを導入
 チューニング方法をおさらい
66ms(約266%) 30.51
MariaDBの設定を調整
 チューニング方法をおさらい
64ms(約275%) 31.82
翻訳アクセラレータを導入(キャッシュ)
 チューニング方法をおさらい
53ms(約332%) 39.29
翻訳アクセラレータを導入(翻訳を停止)
 チューニング方法をおさらい
36ms(約488%) 56.78
gzip圧縮を用いる
 チューニング方法をおさらい
35ms(約502%)
Tunedの調整
 チューニング方法をおさらい
34ms(約517%) 58.47
event MPM+php-fpm構成に変更
 チューニング方法をおさらい
33ms(約537%) 60.79
PHP 5.6+OPCache+APCuを導入 32ms(約550%) 61.84(約550.2%)

 今回のチューニングでは、デフォルト環境と比べて「約5.5倍」高速化されました。

 次回は、「PHP 7」を導入して、今回のPHP 5.6よりも「約2.39倍」、デフォルト環境比で「約12.5倍」までチューニングしていきます。

筆者紹介

中村けん牛

1971年栃木県生まれ。中学1年生で電波新聞社の『マイコンBASICマガジン』にプログラムを寄稿して以来、プログラミング歴30年。早稲田大学法学部を卒業後、野村證券に入社。公認会計士第二次試験合格。2002年にプライム・ストラテジー株式会社を設立、代表取締役に就任する。2005年にPT. Prime Strategy Indonesiaを設立して以来、アジアでのITビジネスに携わる。執筆監訳書籍に『WordPressの教科書』シリーズ(SBクリエイティブ)、『詳解 WordPress』『WordPressによるWebアプリケーション開発』(ともにオライリー・ジャパン)などがある。


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