Windows Server 2016のHyper-Vで動作するLinuxのサポート状況について、これまで明らかにされていたものよりも、具体的かつ詳細な情報が公開されました。
Windows Server 2012 R2のHyper-Vからは、仮想マシンの種類が「第1世代仮想マシン」と「第2世代仮想マシン」の2種類になりました。第1世代仮想マシンは“BIOSベースのx64コンピュータ”として動作し、32ビット(x86)または64ビット(x64)OSを動作させることができます。
第2世代仮想マシンは“UEFIベースのコンピュータ”として動作し、64ビット(x64)OSだけを動かせます。また、第2世代仮想マシンのWindowsゲストでは、「UEFIセキュアブート」がサポートされています。
Windows Server 2016のHyper-Vでは、第2世代仮想マシンのLinuxゲストにおいても、UEFIセキュアブートがサポートされるようになります(画面1)。
UEFIセキュアブートが利用可能であるとマイクロソフトが公表しているのは、以下のLinuxディストリビューションおよびバージョンです。
この他にも、Oracle LinuxのRed Hat互換カーネル7.0以降は、RHEL 7.0以降と互換性があるのでセキュアブートで起動できるはずです。また、筆者はopenSUSE 13.2でもセキュアブートで起動できることを確認しました。
Linuxゲストにおけるセキュアブートのサポートについては、Windows Server 2016の最初のTechnical Preview(TP)で既に実装済みであり、本連載でも紹介しました。
主要なLinuxディストリビューションの新しいバージョンには、Hyper-V対応のドライバやサービスがビルトインされており(サービスは追加インストールが必要な場合もあります)、Hyper-Vとの統合機能も拡充されてきました。主要な統合機能は、Windowsゲストであっても、Linuxゲストであっても、同じように利用できるようになっています。
最新のサポート状況は、以下のWebサイトで公開されています。2016年4月上旬にこの情報が大幅に更新され、Windows Server 2016 TPの機能および対応状況が追加されました。
上記のWebサイトのリストには、これまでLinuxゲストには提供されていなかった、次の4つの機能が追加されています。
追加機能 | 詳細 |
---|---|
SCSI WWN | ストレージドライバ(storevsc)におけるFibre Channelデバイスのワールドワイド名(WWN)のサポート |
Manual Memory Hot Add | 固定メモリのホットアド |
lsvmbus command | 仮想マシンバス上のデバイス情報を表示する/usr/sbin/lsvmbusコマンド |
Hyper-V Sockets | ホストOSとゲストOS間のコミュニケーションのためのソケットAPI、hv_sockモジュールとして提供 |
「SCSI WWN」と「lsvmbus」コマンドは、Windows Server 2012 R2およびWindows Server 2016 Hyper-Vの両方でサポートされる機能です。そして、「Manual Memory Hot Add」と「Hyper-V Sockets」は、UEFIセキュアブートと同じく、Windows Server 2016 Hyper-V上のLinuxゲストで新たにサポートされる機能になります。
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