Hyper-V上のLinux仮想マシンで新たにサポートされる機能vNextに備えよ! 次期Windows Serverのココに注目(47)(3/3 ページ)

» 2016年04月21日 05時00分 公開
[山市良テクニカルライター]
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LIS 4.1のメモリのホットアド機能を試してみた

 Windows Server 2012以降のHyper-Vでは、「静的(固定)メモリ」または「動的メモリ」のどちらかで仮想マシンにメモリを割り当てることができます。静的メモリは、一定のサイズのメモリを仮想マシンに割り当て、仮想マシンの起動後はメモリサイズを変更できません。動的メモリは「スタートアップRAM」「最小RAM」「最大RAM」で構成し、スタートアップRAMで起動後は、最小RAMと最大RAMの間でゲストOSのメモリ要求やホストのリソース量に応じてメモリサイズが動的に自動調整されます。

 Windows Server 2016およびWindows 10のHyper-Vでは、静的メモリ割り当ての実行中の仮想マシンに対して、メモリを「追加(ホットアド)」したり、「削除(ホットリムーブ)」したりできるようになります。この機能が、Linuxゲストでも部分的にサポートされるというわけです。“部分的”にと言ったのは、Linuxゲストでサポートされるのは、現状、メモリの「ホットアド」だけだからです。

 次の画面4は、CentOS 7.1のビルトインのHyper-Vドライバ環境で、メモリのホットアドを実行してみたところです。ゲストOSが対応していないため、メモリのホットアドは失敗します。

画面4 画面4 CentOS 7.1のビルトインのHyper-Vドライバでは、メモリのホットアドは失敗する

 次の画面5は、LIS 4.1がインストールされた、初期割り当てメモリが2048MBの仮想マシンに、さらに2048MBを追加して、合計4096MBに変更したところです。

画面5 画面5 LIS 4.1がインストールされたCentOS 7.1仮想マシンにメモリをホットアドしたところ

 今度は問題なくメモリのホットアドを実行できました。「free」コマンドの変化を見れば、ゲストOSでも、追加のメモリを認識できていることが分かります。

 次の画面6は、4096MBまで割り当てたメモリから、2048MBを削除して、元の割り当てサイズに戻したところです。

画面6 画面6 Hyper-V側からはメモリのホットリムーブができるように見ええるが、Linuxゲストはメモリが削減されたことを認識できない

 Linuxゲストでは、「メモリのホットリムーブ」はサポートされません。ホットリムーブは実行され、Hyper-V側から見た割り当てサイズは2048MBに戻りました。しかし、Linuxゲスト側の「free」コマンドの結果を見ると、メモリサイズは減っていないことが分かります。

 Linuxゲストは4096MBのメモリと認識していますが、実際には2048MBしか割り当てられていないため、Linuxゲストが2048MB以上のメモリを要求すると何らかの問題が発生するでしょう。

筆者紹介

山市 良(やまいち りょう)

岩手県花巻市在住。Microsoft MVP:Cloud and Datacenter Management(Oct 2008 - Sep 2016)。SIer、IT出版社、中堅企業のシステム管理者を経て、フリーのテクニカルライターに。マイクロソフト製品、テクノロジーを中心に、IT雑誌、Webサイトへの記事の寄稿、ドキュメント作成、事例取材などを手掛ける。個人ブログは『山市良のえぬなんとかわーるど』。


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