IT企業の最前線で活躍するトップエンジニアに、学生時代に行った就職活動の内容や、これから就職活動を行う学生へのアドバイスを聞く本連載。今回は、モブキャストで「ルミネス」開発チームに所属する石田拓馬さんにお話を伺った。新卒で入社した会社を2年で退職した石田さんが考える「3年以上働ける会社の見つけ方」とは――。
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本連載「まだ君は間に合う! 現役エンジニアに聞く、学生のときにやっておくべきこと」では、IT企業の最前線で活躍するトップエンジニアに、学生時代に行った就職活動の内容や、これから就職活動を行う学生へのアドバイスを聞いていきます。
もし、入社した会社と自分との間にミスマッチがあったらどうするべきだろうか。
世間でよく耳にするのが「新卒者は最低でも3年間は1つの会社で頑張るべきだ」という意見だ。「どんな仕事も、3年やればいろいろな知識やスキルが身に付き、仕事本来の面白さが分かってくる」ということだろう。しかし一方で「軌道修正は早い方がいい」という考え方がある。
今回お話を伺った石田拓馬さん(25歳)が現在勤務しているのは「モブキャスト」。ゲーム好きには、モバイルエンターテインメントプラットフォーム「mobcast」の運営や、オンラインプロ野球ゲーム「モバプロ」、ネイティブゲーム「【18】 キミト ツナガル パズル」などで知られている企業だ。石田さんは同社のルミネス開発チームで、新たなゲームタイトルの開発に取り組んでいる。
石田さんにとってモブキャストは2社目に当たる。実は、新卒で入社したゲーム会社をわずか2年で退職し、同社に転職したのだ。「就職活動時の会社選びは当時の自分にとって最適解でした。むしろ、1社目の会社があったからこそ、今の自分があると思います」と石田さんは語った。
石田さんの就活は、どのようなものだったのだろうか。
大学で専攻していた物理学は、基礎研究の分野のため、研究機関やメーカーの研究開発部門に就職する先輩や学友が多かったという。しかし、学業とは別に「天文」が好きで、各地の大学で開催される専門的な天体セミナーなどに足を運ぶほどだった石田さんは、大学3年生当時、就職せずに天文学の分野の大学院に進みたいと考えていた。
石田さんが大学3年時の2011年は、就活が、それまでの10月1日スタートから12月1日スタートに変わった年で、企業説明会も12月から一斉に開始された。石田さんも、1度は企業の合同説明会に足を運んだが、もともと進学するつもりだったこともあり、その時点では興味をそそるような企業は見つからなかった。
しかし、大学院について調べていくうちに、石田さんが専攻したい分野の研究室は、少数の大学にしかないことが分かった。そこで「大学院で勉強するのは社会に出た後でもいい。それなら今は就職してお金をためよう」と考えた石田さんは、気持ちと進路を切り替えた。
就活に向け、あらためて自身のやりたいことを見つめ直した結果分かったことは「自分は“ものづくり”が好きだ」ということ。そこから導き出した進路はIT業界だった。
学生時代にプログラミングの経験はなかったが、多くのIT企業で情報系以外の分野からもエンジニアを採用しているので、「社会人になってからでも、手に職を付けられるのではないか」と石田さんは考えたのだ。
就活当初は、企業向けの業務用アプリケーション開発を行うソフトウェア開発会社を中心に会社選びを始めた。しかし「もともと飽きっぽい性格の自分に、全く関心のない企業システムの開発が続けられるだろうか」という疑念が強まり、途中でターゲットをゲーム業界に変更する。「エンターテインメントの世界ならば、楽しみながら仕事に取り組めるし、利用者を楽しませられる、と考えました」と、石田さんは当時を振り返る。
石田さんが選んだのは、成長著しいモバイルソーシャルゲームの企画・開発・運営を行う会社だ。それが冒頭に登場した“1社目の会社”である。
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