情報処理推進機構(IPA)は10月28日、IPA Forum 2008で「学生と経営者の討論会」と題したパネルディスカッションを開催した。IPAによる同企画は2007年10月、2008年5月に続いて3回目。
学生側は、東海大学専門職大学院、東京工科大学、名古屋大学、早稲田大学、日本工学院八王子専門学校から各校2人ずつ、計10人が登壇した。経営者側は、パナソニック 常務役員 兼 オートモーティブシステムズ 社長の津賀一宏氏、伊藤忠テクノソリューションズ(CTC) 代表取締役社長の奥田陽一氏の2人がパネリストとして登壇。IPAから理事長の西垣浩司氏が参加し、司会をインプレスビジネスメディア 取締役の田口潤氏が行った。
田口氏は冒頭で、「今回でこの(学生と経営者の討論)企画は3回目。意見や考えが擦れ違うこともあるかもしれないが、この企画を通じて学生と産業界の意思の疎通が取れていければと思う」と話した。また、同企画は「今回で最後」になると話し、次回は違った切り口の企画を新たに考えたいとした。
討論に入る前に、学生と経営者がそれぞれ自己紹介を行った。IT関連の企業への就職が決まっている学生は10人中7人おり、それ以外の業種が1人。まだ就職先が決まっていない学生が2人だった。
津賀氏は学生時代の専攻は生物工学だったが、アメリカへの留学の際にコンピュータサイエンスを学んでこの業界に入ったと説明。奥田氏は元伊藤忠商事の「商社マン」でITエンジニア経験はないものの、ニューヨークで10年働いた経験があり、帰国後はCIOなどを歴任したという。今回の企画を通じて「IT業界の企業の魅力を伝えたい」と語った。西垣氏は「エンタープライズ系のシステム開発や営業を経験してきた」と語り、自身の経験から、「ITの知識を持っているということは、大きな可能性の広がりを持っているということ。それを学生に伝えたい」と力を込めた。
田口氏が学生に「オートモーティブシステムズやCTCが何をしている企業か分かりますか」と問いかけたところ、全員「分からない」と回答。それぞれの企業のビジネスを紹介する一幕もあった。
最初の質問は学生に対して、「IT技術者という仕事のイメージ」が問いかけられた。「情報という、風化しやすい性質を持つものを客観的に捉えて扱う、クールな仕事だと思う」「ITは幅広く普及しているため、仕事の幅が広く、何でもできそう」「システムエンジニア(SE)は顧客と向き合ってコミュニケーションができる仕事」「クリエイティブなイメージ」「長い時間をかけてシステムが完成したときに達成感を得られる」など、ポジティブなイメージが多く挙げられた。一方で、「毎日、長時間PCに向かい続ける仕事なのでは」「残業が多かったり、残業代が支給されなかったりすると聞く」などの「3K的イメージ」や、逆に「技術者というほど技術者っぽくない。打ち合わせや書類書きの時間の方が長そう」といった印象が挙げられた。また、「金融とIT、流通とITといった具合に、IT以外に何か強みを持って働いているイメージがある」という発言も出た。
こうした学生のイメージについて、津賀氏は「ほぼ合っている。残業代を払わないということはないと思うが」と話し、「自分が学生のころは、情報産業の企業が何をしているのか全然分からなかった。今の学生はよく理解している」と驚きをあらわにした。奥田氏も「仕事がきついなど、暗いイメージばかりが出るかと覚悟していたが、そうでもなかった。IT業界に対して期待されていると感じた」と、学生の言葉に好感を示した。残業代に関しては「払わないなんて企業は今はそうない。それはよくない会社だ」と断言した。西垣氏は「IT業界は労働時間が長いというイメージを持たれているが、統計上は、全業種の中でも平均的。3Kも改善されてきている」と語った。田口氏が「この学生たち、採用したいですか」と問うと、津賀氏は「これだけでは分からない」と返したが、奥田氏は「全員採用したい」と笑いを誘った。
「就職先でどんな風に活躍したいか」という質問に対しては、学生は「横断的な技術知識を学んできたので、社内の部門間の橋渡しになるような仕事をしたい」「中国から4年半前に留学してきた。この4年半の知識を生かしたい。将来はブリッジエンジニアとして活躍したい」「開発を担当し、クリエイティブなアイデアを形にする仕事がしたい」「上流工程で、顧客の要望を聞き、形にする仕事がしたい」という回答が挙がった。
田口氏はここで「ちょっと質問の角度を変えたい」と前置きをし、「前回(2008年5月の同企画)、『若いうちはがむしゃらに働こう』というメッセージがいろいろな形で反響を呼んだ。学生のみんなは、若いうちから即戦力としてバリバリ働きたいか、それとも若いうちは言われたことをやって、勉強をしたいか」と学生に問いかけた。「若いうちから活躍したい」という学生は10人中4人で、田口氏は「意外と少ない」と感想を述べた。
西垣氏は「前回はちょっと過激にいい過ぎた。あれからいろいろと考えた」と語り、「ソフトウェア開発は大きく4つに分けられる。1つ目はOSやミドルウェア、2つ目はエンタープライズ系、3つ目は組み込みソフトウェア、4つ目がゲームだ」と、ソフトウェア開発という大枠を4つに分類。「1(OSやミドルウェア)と4(ゲーム)は天才的な才能を持っている人がすぐに活躍できる可能性がある。逆に、2(エンタープライズ系)と3(組み込みソフトウェア)はITの技術だけがあっても活躍できるわけではない。業務ノウハウが必要だ」と説明し、「2と3に関しては、まずは下流工程で業務について勉強しつつ、コーディングをたくさんしてほしい。上流工程に行くのはそれから」と、「10年泥のように働く」という言葉の真意を解説した。奥田氏は「ITではなく商社だが、やはり最初の数年間は下積みだった。自分は何をやっているんだろうと当時は思ったが、今ではその経験が生きていると実感できる」と、下積み時代の重要性を説いた。
学生への最後の質問は「IT業界の将来性について」。学生から「IT業界自体は今後も発展していくと思うが、個々の企業の入れ替わりは激しくなるのではないか」という意見が出ると、津賀氏は「入れ替わりは必然だ。これはどの業界も同じだが、特に今はグローバルな時代で、どんどん世界が変わる。面白い時代だと思う」と肯定的に捉えた。奥田氏も「ITは技術革新がどんどん起きるし、顧客企業の経営戦略の移り変わりでニーズはさらに増していくだろう」とIT業界の将来像を語った。
西垣氏は「ITによる社会の変貌はまだ序の口。産業革命並みのインパクトが今後起きていくだろう。それに伴い、企業の栄枯盛衰は激しくなると思う。マイクロソフトからグーグル、アマゾンまで、社会に対する変革のインパクトは大きい」と情報産業の影響力を強調した。田口氏が「逆に考えれば、個人の頑張りが効く世界でもある」と付け加えると、津賀氏は「企業は個人の集合体。企業が傾いても、個人がスキルを持っていれば活躍の場はいくらでもある」とまとめた。
また、学生で唯一、外資系企業への就職が決まっている1人が「日本企業は標準化があまりうまくないと思う。外資でそういった部分を学んで、日本にフィードバックしたい」と語ると、津賀氏は「DVDのフォーマットなどを作ってきた。決して下手というわけではない。特に、ハードウェアと制御系ソフトウェアの擦り合わせは日本の強みが生かせる部分だと思う」と反論。ただし、「ソフトウェア同士の擦り合わせは確かに課題。言葉の壁もあり、標準化を先導できていない」と話した。
続いて、経営者への問いかけとして「企業が期待する人材」について質問がなされた。奥田氏は「向上心を持っている人や、新しい技術に対する好奇心を持っている人」と発言。また、「コンピュータに関する基礎技術は当然として、幅広い知識や常識を持っている人がいい」と話し、「どの世界でも、信頼される人が一番だ」と付け加えた。学生から「基礎技術は当然として、とおっしゃったが、どの程度か」と質問されると、「IPAのITスキル標準(ITSS)に準拠した試験がある。ITパスポートの資格などを持っていると分かりやすい」と回答した。学生でITSSを知っているのは10人中5人だったが、ほぼ全員が情報処理資格などの試験資格を取得していると回答した。
津賀氏は「即戦力という意味では、基礎知識を持っている人は大事。ただ、自分も生物工学科の出身。学生時代に学んだことばかりが重要なわけではない」と自身の経験を元に回答。「考える力やコミュニケーション力を持っていて、応用が効く人間がいい。知識ばかり詰め込むのではなく、柔軟な頭を持ってほしい」と本音をこぼした。また、「企業経営者としてフォーマルな回答をすると、『入り混じり』が採用のキーワードになっている」とし、「例えば数学は100点を取るが社会は5点というような『尖ったタイプ』と、全科目で90点を取る『バランスタイプ』の両方がいていい」と語った。近年は「『尖ったタイプ』は少なくなってしまった」と津賀氏は嘆き、「みんなつい気にし過ぎて、すべての科目で90点を取らないといけないと思い込んでしまう。嫌いなものでも勉強してしまう。これが身を滅ぼす。1つの興味に集中して100点を叩き出す人がいたっていい」と断言した。
これに対して学生からは「理想としては、他で5点を取っても何かで100点を取る人を目指したいが、実際は全科目で90点を取れるようにやってしまう」「そういう(尖ったタイプの)人は格好良いが、その人たちの将来を考えると、社会的に活躍できる場があるのか心配」「現実問題として、5点を取ると単位を落としてしまう」などの意見が出された。田口氏も「実際にそういう人も採用してくれて、活躍できる場があるのか」と問うと、津賀氏は「わたしもそういうタイプで、曲がりなりにも社長になってしまった。世渡りもある程度必要だが、どこかで5点を取っても眼をつぶる勇気が大切だ」と持論を展開した。
西垣氏はこの議論を受けて、「キャリアパスの問題だと感じる」と意見を述べた。「領域によっても異なるが、例えばエンタープライズ系の開発であれば、まずはコーディングをやって、徐々にプロジェクトマネージャなどへと移行していくという厳然としたキャリアパスが存在する。こうしたパスがある領域では、バランスタイプもステップアップしていける。一方で、天才肌の尖ったタイプは、エンタープライズ系の領域で調和を取りながら仕事をするのは、キャリアパスの観点からも向いていないかもしれない」と西垣氏は語り、「ベンチャーなどで天才肌の人が必ず成功するわけではない。ある種のリスクテイクだ。だが一方で、特化型の人材が活躍できるようなパスは、日本では確かに少ない」と日本の現状を分析した。
学生は、「技術的な専門性は企業でどう公平に評価されるのか」と経営者に対して質問。津賀氏は「社内では、技術者が技術者のために作った評価制度を導入している。ITSSやETSSをベースにしている」と語り、「評価の透明度は上がってきているので、一芸タイプかバランスタイプかを自分で選んで取り組んでほしい」と説明した。奥田氏も「情報通信やコンピュータサイエンスの専攻の人はレベルが高い。そうした人がほしいと考えている。評価も社内で整備している」と語った。
田口氏はさらに、経営者側に「若い時期に期待すること」や「学生時代に学んでおいてほしいこと」は何かと質問。津賀氏は「いつまでを若い時期というかによるが、わたしは40歳くらいまでを『若い時期』とする」と前置きをし、「たくさんの経験を積んでほしい。本で読んでも身に付かない。経験だけが自分の財産」と、経験の重要性を強調した。また、「40歳を超えると、技術者としての経験を積むのは難しいので、それまでにたくさん経験をしておいてほしい」と語った。「人によるが、40歳を超えると開発をできる人は限られてきて、根気や体力が続かずに他の業務へとシフトする人が多い。メーカーだと定年まで図面を引いていることもあるが、ソフトウェアで定年まで開発を続けるのは相当の知力と体力が必要だ」という。
奥田氏は学生時代と社会人時代に分けて説明。学生時代は「語学力を鍛え、国際的な視野を持つこと」と「本をたくさん読んで勉強すること」を挙げた。コンピュータサイエンスは現状、アメリカ発が多く、最新の技術をいち早くキャッチアップするためにも、海外に出て行くためにも、また世界を広く見るためにも語学力は重要だと説いた。また、本を読んで勉強することの重要性を強調し、「歴史や思想の本など、幅広い知識を身につけてほしい」と語った。会社に入ってからは「得意な技術や得意な業界を作ること」と「メンバーや顧客から信頼される人になること」が大切だと話した。
西垣氏は、リーダーシップの取れる「お助けマン型のプロジェクトマネージャ」がソフトウェア開発には欠かせないと語る。ソフトウェア開発は規模が大きくなるほど難しくなる傾向があり、「デスマーチという本があるくらいで、失敗例がたくさん」だと説明。ウォーターフォール型の開発だけではプロジェクトを成功させることができないことがあると語り、アジャイル開発に移行する際、「お助けマン型」人材が活躍するという。そのため、「技術はもちろん、学生時代にリーダーシップを取る体験を積んでほしい」と西垣氏は強調した。また、奥田氏同様、語学力や国際性の必要性を説き、「語学は勉強して損はない」と語った。
最後に学生からの自由な質疑応答が行われた。博士課程の学生からは「専門性を高めたいと思い博士課程に進んだが、いまの日本のIT業界は、専門能力の高い人が専門性を生かす場が減っている印象がある」という意見が出された。「企業の基礎研究所が縮小していたり、予算が減っていたりするという話を聞く。基礎研究は直接利益につながりにくいものの、そこがぐらついては、未来の技術の土台がしっかりしないのではないか」との問いに、西垣氏は「ソフトウェアとそれ以外で分けて考える必要がある」と答えた。西垣氏は「ソフトウェアに関しては、確かに日本でそういう専門性の高い人が働く場は少なくなっている。OSはほとんどアメリカ製だし、グーグルやアマゾン、ヤフーなども、開発はすべて海外で行われているのが現状だ」と学生の意見を認めつつ、「Web系は伸びてきたので、可能性がある。また、ゲームも日本は強い」と可能性を示唆した。ハードウェアに関しては「非常に頭が痛い問題。アメリカでは国から莫大な予算が降りているが、日本ではグローバリゼーションの影響でコストカットが優先され、基礎研究を行うにはシビアなのが現実」と回答。「これでは絶対に良くないと考えている」と語気を強めた。
奥田氏は「博士課程までいった人が働く場はある」と主張。OSやサーバ、ネットワークの技術など、誰よりも専門性の高い技術者を必要としているという。CTCではこうした人材を「スーパーエンジニア」と呼んでおり、必要な人材であると強調した。また、どうしても専門性を日本で生かせない場合は、「企業経営者としては本当は辛いが」と苦笑いをしつつ、「世界に打って出てほしい。世界で勝負できる日本人技術者がもっと増えれば、日本のIT業界も盛り上がるだろう」とアドバイスをした。日本のシステム・インテグレータは「非常にドメスティックで、井戸の中で戦っている」と奥田氏は自戒を込めて語り、「グローバルに戦える日本製品を作る人材になってほしい」とエールを送った。
津賀氏は「分野によるが、基礎研究をまったくやっていないわけではない」と付け加えた。ただし、企業内での基礎研究の比率は下がっており、その分、大学との産学連携で補っているのだと説明した。
『人月の神話』を読んだという学生は、「完ぺきなプロジェクトの遂行のために、完全なチームを作る際、新人を教育のために加えるのにはジレンマがあるのではないか」と質問。西垣氏は、「確かに高いレベルでの信頼性を必要とするプロジェクトの場合は、優秀な人材だけでチームを作る。だがそれ以外ならば、大抵は優秀な人ばかりのチームというわけではない」と解説した。奥田氏も「常に新人を入れて育てていく、というのは重要」と語り、「同時に、誰がやっても高品質の成果が出せるよう、社内で開発を標準化している」と述べた。津賀氏は「新人か否かより、適性があるか否かの方が重要だ」と断言した。
中国からの留学生からは「企業が求める外国人エンジニアの人材像」について質問が出た。津賀氏は「世界5極体制なので、外国人とのやりとりは多い。優秀な人であればどんどんほしい」と話すと、奥田氏も「将来はグローバル展開をしたいと考えているので、中国やインドなどのブリッジの人材は必要」と、需要があることを示した。西垣氏も「オフショア開発が増えているので、活躍の場は多いだろう」と回答した。
「資格取得に関する企業からの支援は」という質問に対しては、津賀氏、奥田氏ともに「社内で教育プログラムを準備している」と回答。「資格を持っていることと評価の関係は」と聞かれると、「一時金などが多い」という回答が上がった。ただし、「資格を持っているから偉いとか、仕事ができるということではない」と口をそろえた。
女性の学生からは「女性の技術者が40歳を超えても働いているというロールモデルがイメージできない。そういう人はいるのだろうか」という質問が挙がった。津賀氏は男女区別しないと断言したが、奥田氏は「昔はなかなか女性は長く勤めてもらえないという考えがあったため、現在CTCで技術者から部長になった女性は2人しかいない」と実情を披露。ただし、「現在は新卒の2割は女性にするという仕組みに変えており、今後活躍する女性技術者は増えていくだろう」と語った。
※2008年10月29日、奥田氏の発言の「女性の管理職」を「技術者から部長になった女性」に訂正しました。
「自分の知り合いのIT技術者からは、休日出勤が多いという話を聞く。社員を大切にしていないイメージがどうしても付いて回る」という学生の声には、津賀氏が「もちろん社員は大切にしている」と回答すると、「口でいうだけでは駄目ですよ」と田口氏が指摘。津賀氏はそれを受けて、「ハードワークを避けたいなら、うちには入れないかもしれない。ただ、ひどい扱いはしない」と付け加えた。奥田氏も「確かに忙しいし、プロジェクトによっては労働時間が長くなることもある」と認めつつ、「ほかの業種と比べて極端に長いということはないし、なるべくお金を払わずに働かせようという企業は長くは続かない」と語った。
経営者の「そこまでひどい扱いはしない」という回答に対して、学生は「個々の企業がそうだとしても、業界全体としてそういう(長時間労働の)風潮があるのではないかと感じる」と率直に発言。西垣氏は「就職活動時に、経営者の顔を見て、よく話をしなさいとアドバイスしている」と語り、見極めが重要であると語った。奥田氏は「業界としてそのイメージをなくすよう、反省すべきところはある」と語りつつ、「そういう会社には行かない方がいい。IT業界の企業は本当は魅力的なところ」と断言すると、津賀氏も「大丈夫」と強気な発言を行った。学生は「就職活動中に経営者と話をする機会は少ないし、判断基準もない」と反論したところ、田口氏は「こうした学生たちのフォローは、IPAの新しい仕事では」と提言。西垣氏は「どれだけ必死になれるかだと思う。情報を得る努力が必要だ」と語ると、奥田氏も「先輩に聞くのが一番いいと思う」とアドバイスをした。
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