2016年5月より、クラシックポータルのみで提供されてきたMicrosoft Azureの「Recovery Services(復旧サービス)」が新しいAzureポータルに統合されました。新しいAzureポータルで一貫性のある、ブレード形式のUIで簡単に操作できるだけでなく、Azure Resource ManagerでデプロイされたAzure仮想マシンのバックアップにも対応しました。
2015年12月に新しい「Azureポータル」(https://portal.azure.com/)が正式リリースとなって以降、Microsoft Azureが提供する数多くのサービスが新しいAzureポータルに移行されてきました。
以前のポータルも「クラシックポータル」(https://manage.windowsazure.com/)として引き続き利用可能ですが、新しいAzureポータルはMicrosoft Azureの新しいデプロイモデルである「Azure Resource Manager(Azureリソースマネージャー:ARM)」と、従来のデプロイモデルである「クラシック」の両方に対応しているため、新しいAzureポータルを使用することが推奨されます。ただし、新しいAzureポータルやAzure Resource Managerに対応していないサービスについては、クラシックポータルにリダイレクトされるようになっています。
「Recovery Services(復旧サービス)」は、Microsoft Azureのさまざまなサービスの中でも、特に中小規模の企業に注目されているサービスです。しかし、これまではクラシックポータルでのみ、利用可能なサービスの1つでした(画面1)。
Recovery Servicesは、オンプレミスのデータやアプリケーション、Azure仮想マシンをクラウドストレージにスケジュールバックアップする「Azure Backup」と、オンプレミスの仮想マシンや物理サーバをクラウドまたはセカンダリーサイトにレプリケーション(複製)して保護するとともに、クラウドへの移行を容易にする「Azure Site Recovery」の2つのサービスで構成されます。
Azure Backup/Azure Site Recoveryは本連載で初めて取り上げたトピックであり、その後も機能拡張をフォローアップしてきました。そして、これらのサービスがようやく2016年5月に、新しいAzureポータルに統合され、同時にAzure Resource Managerのサポートも追加されました(画面2)。
クラシックポータルでは、Azure Backup用に「バックアップコンテナー」、Azure Site Recovery用に「Azure Site Recovery資格情報コンテナー」をそれぞれ作成する必要がありました。新しいAzureポータルに統合されたRecovery Servicesでは、「Recovery Servicesコンテナー」でAzure BackupとAzure Site Recoveryの両方をサービスできるように簡素化されています。
新しくなったRecovery Servicesの利用を開始するには、Azure Marketplaceから「Backup and Site Recovery(OMS)」を選択してコンテナの作成を開始するか、「参照」から「Recovery Servicesコンテナー」のブレードを開いて、コンテナを作成します(画面3)。
Azure Marketplaceの「Backup」や「Azure Site Recovery」、「参照」にある「Site Recoveryコンテナー」は、クラシックポータルで管理する従来のRecovery Servicesに対応したものであることに注意してください。
なお、クラシックポータルのRecovery Servicesも利用可能です。こちらは従来通りの機能であり、構成済みのサービスを新しいAzureポータルから管理できるようにはなっていません。また、新しいAzureポータルで作成した「Recovery Servicesコンテナー」をクラシックポータルから参照、管理することもできません。
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