GEとマイクロソフトが産業クラウド活用で提携。GEのインダストリアルインターネット向けプラットフォーム「Predix」が「Microsoft Azure」上で利用できるようになる。
米ゼネラル・エレクトリック(以下、GE)と米マイクロソフトは2016年7月11日(米国時間)、GEのインダストリアルインターネット向けプラットフォーム「Predix」を「Microsoft Azure」上で利用できるようにすることで提携したと発表した。
世界のインターネット接続デバイスは爆発的に急増している。調査会社ガートナーによると、インターネットに接続して使われる機器の台数は、2016年の64億台から、2020年には200億台に達するとされている。企業は、末端の産業機器とクラウドを結び、得られたデータを即時に知見としてビジネスの成長につなげる、IoT(Internet of Things)活用の手段や方法を模索している。
PredixがAzureで利用できれば、顧客にとって、機器やシステムから得られるデータを安全に活用する上で選択肢や柔軟性が広がる。産業分野のIoTを構成する情報技術を、簡単/安全に世界の企業が業務に生かせるようになるという。
GEのジェフ・イメルトCEOは、今回の提携の狙いを次のように説明している。「産業機器をクラウド経由でインターネットに接続することは、ビジネスプロセスの簡素化と業務のやり方の革新に向けた大きなステップだ。GEは、顧客がこうした機器から得られる膨大なデータから価値を引き出せるように支援している。さらに、マイクロソフトのような業界をリードするパートナーとともに、インダストリアルインターネットをグローバルに発展させるためのエコシステムを構築している」
GEのPredixプラットフォームは、既にさまざまな産業分野の顧客が産業用アプリケーションの迅速な構築、安全なデプロイ、効果的な運用に利用している。PredixがAzureで利用可能になれば、こうした顧客が自然言語技術やAI(人工知能)、高度なデータ可視化、エンタープライズアプリケーション統合などの機能とも自在に連携できるようになるという。
Azureは、Predixを利用する顧客がクラウドにアクセスして、データ主権、ハイブリッド機能、高度な開発者およびデータサービスを利用できるようにし、インダストリアルIoTエコシステム全体の成長をサポートする。さらに、GEとマイクロソフトは、Predixとマイクロソフトの「Azure IoT Suite」や「Cortana Intelligence Suite」、ビジネスアプリケーション(「Office 365」「Dynamics 365」「Power BI」など)も統合していく計画だ。
マイクロソフトのサティア・ナデラCEOは、GEとの提携の意義を次のように説明している。「GEと組むことで、われわれは新たな顧客層にリーチし、工場現場からスマートビルディングまで、あらゆる業務におけるデジタル変革の加速を支援できる」
Azure上で動作するPredixは、2016年末に開発者向けプレビューをリリースし、2017年第2四半期に提供開始される見通しだ。
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