不安なときや困ったとき、見守っていてくれる、気に掛けてくれる存在がいると、安心しますよね。
人材育成歴30年の田中淳子さんが、人生の先輩たちから頂いた言葉の数々。時に励まし、時に慰め、時に彼女を勇気付けてきた言葉をエンジニアの皆さんにもお裾分けする本連載。
前回は、ガンガン怒ってくれる人ほどありがたい、という話をした。今回は若手エンジニアが振り返る、新人のころ先輩や上司にしてもらってうれしかったことを紹介する。
あるお客さまと2年ぶりに再会し、「今でもウオーキングで出社なさっているのですか?」と尋ねたら、「え?」と目を真ん丸にして驚かれた。
「2年前にそんな話をしたので、今でも続けてるかな? と思って。私もウオーキングしているのですよ」と続けると、「田中さんは、仕事柄大勢の人と会うのに、よく私のウオーキングのことなんて覚えていましたね。びっくりしました」と笑顔になった。「健康のためとおっしゃっていましたよね」と続けると、「そうそう。体脂肪率、落ちましたよ」とのことだった。
最近、記憶力に難が出てきたが、彼女のウオーキングの話はずっと記憶に残っていて、時々「どうしているかなあ」と思い出していた。そんなことを話題にしたら、思った以上に喜んでくれたのだ。
人は、自分のことだけではなく、自分が話したことを覚えていたり、存在を気に掛けてくれたりすると、とてもうれしいものなのだ。
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