JavaScriptで履歴を扱う「History」、URLを扱う「Location」などの基本JavaScript標準ライブラリの使い方超入門(10)(2/4 ページ)

» 2016年11月29日 05時00分 公開
[金城俊哉]

アドレスバーのURLをすげ替えちゃえ(Locationオブジェクト)

 ボタンクリックでページを移動したり、ページの再読み込みを行うといった処理をJavaScript側から実行したい場合に利用するのがLocationオブジェクトです。

Locationオブジェクトの使いどころ

 Locationオブジェクトは、「window.location」のように、locationプロパティで参照することができます。windowを省略して「location」とだけ記述することもできます。

 Locationオブジェクトの以下のプロパティを利用すれば、URLに関する各種の情報を参照することができます。

Locationオブジェクトのプロパティ
プロパティ 説明 http://example.com:80/sample/page1.
html#anchor?param=valueの場合の戻り値
href ドキュメントのURL http://example.com:80/sample/page1html#anchor?param=value
protocol プロトコル名 http
host ホスト情報(ホスト名:ポート番号) example.com:80
port ポート番号 80
pathname URLのパス部分 /sample/page1.html
search URLのクエリ文字 ?param=value
hash URLのアンカー部分 #anchor
Onepoint

 Locationオブジェクトのhrefプロパティは、ドキュメントのURLを取得するだけでなく、プロパティにURLを代入することで、任意のページに移動することができます。次は、フォームのプッシュボタンに直接、onclick属性を設定し、hrefプロパティのURL情報を設定する例です。ボタンクリックで指定したページへ移動します。

コード例
Onepoint

 Locationオブジェクトには、次の2つのメソッドがあります。replace()メソッドでページを移動した場合は、移動前のページの履歴が残されずに移動が行われます。

Locationオブジェクトのメソッド
メソッド 説明
reload() 現在のページを再度読み込む。
replace() 指定したページへ移動。

URL情報を取得する

Navigator

「では、Locationオブジェクトのプロパティを使って、表示中のページの情報を取得してみることにしましょう」


Driver

「Locationオブジェクトのプロパティを順番に指定して、すべての値をダイアログに表示するようにしますね」


表示中のページのLocationオブジェクトを取得する(location1.html)
Navigator

「作成したページは、ローカルで稼働するWebサーバーの公開用フォルダー内の『javascriptsample』フォルダー内に保存しましょう。そうすれば、ブラウザーのアドレス欄に次のように入力すれば、URLのクエリ文字まで見ることができますよ。『?param=value』は、実験用に入力するダミーのクエリ文字です」


コード例
Driver

「このとおりに入力してアクセスしてみました」


実行結果

hrefプロパティで指定したURLに移動する

 本項の冒頭でお話ししたように、hrefプロパティにURLを設定することで、表示中のページから任意のページへ移動することができます。例として、プルダウンリストの項目を選択すると、指定したページへ移動するプログラムを作成してみることにします。

プルダウンリストから指定先のページへジャンプする(helf1.html)
実行結果

 プッシュボタンをクリックしたタイミングでイベントリスナーからイベントハンドラーが呼び出され、hrefプロパティにURLがセットされるようにしています。

 (1)では、あらかじめ指定したおいたURLに、プルダウンリストで選択された項目のvalueの値を連結することで各ページへのURLを新たに生成し、これをhrefプロパティに設定しています。

Hint プルダウンリストのonchange属性でプログラムを起動する

 プルダウンリストのonchange属性を設定することで、項目が選択されたタイミングで関数を呼び出すことができます。HTMLにJavaScriptのコードを埋め込むことになりますが、リストが選択された段階で即座にジャンプさせることができるようになります。

 この場合、次のようにselect要素の開始タグ内でonchange属性を設定します。値に関数名を記述し、引数として自分自身(selectオブジェクト)を「this」を使って渡すようにします。

コード例

 一方、関数側ではパラメーターとしてselectオブジェクトを受け取ることで、パラメーターを利用してオブジェクトにアクセスできるようになります。

呼び出し先の関数
onchange属性を利用する(href2.html)
実行結果

Tips 履歴を残さないでジャンプする

 hrefプロパティの代わりに、replace()メソッドを使うと、移動するもとになったページの履歴を残さずにジャンプさせることができます。この場合、ジャンプしたあとでブラウザーの[戻る]ボタンをクリックしても、移動する前のページ(replace()メソッドが埋め込まれたページ)に戻ることはできません。

 重要な情報を扱うページなど、何らかの理由で履歴を残したくない場合は、replace()メソッドを使うとよいでしょう。

 以下は、本編で作成したプログラムのhrefプロパティをreplace()メソッドに書き換える例です。

コード例

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