統合開発ツール「Visual Studio」にも、製品の実質的な寿命を左右する「サポート期限」が存在する。それが一目で分かるように、各バージョンのサポート期限を図示してみた。
対象ソフトウエア:Visual Studio 6.0 / Visual Studio .NET 2002 / Visual Studio .NET 2003 / Visual Studio 2005 / Visual Studio 2008 / Visual Studio 2010 / Visual Studio 2012 / Visual Studio 2013 / Visual Studio 2015
マイクロソフトが提供している統合的なソフトウェア開発環境「Visual Studio」は、社内または受託で開発される業務アプリや市販ソフトウェアなど、Windowsベースのさまざまなプログラム開発で広く利用されている。
そのVisual Studioもソフトウェア製品である以上、サポート終了という「寿命」からは逃れられない。特に重要なのは、サポートが終了するとセキュリティパッチの無償提供が停止されることだ。それ以後に発覚した脆弱(ぜいじゃく)性は修正されず、セキュリティ面でひどく脆くなってしまう。
従って、サポートが終了するまでには、Visual Studioを新版にアップグレードするといった対策を講じる必要がある。そのためには、何はともあれVisual Studioのサポート期限を把握しておかなければならない。
そこで本TIPSでは、その時期を一目で分かるように図で表してみた。Windowsシステムのライフサイクル管理に役立てていただきたい。
Visual Studio 6.0以降の各バージョンを対象に、マイクロソフトの延長サポートが終わる(すなわちセキュリティパッチの無償提供が終了する)時期を図にまとめてみた。
Visual Studio 6.0/.NET 2002/.NET 2003/2005については、既にサポートが終了しているため、早急に新版へアップグレードすべきだ。
さて、管理下のVisual Studioのバージョンと上図を照らし合わせて「良かった、まだサポートされている」と安心するのはまだ早い。
他のマイクロソフト製ソフトウェアと同様、Visual Studioにも、リリース済みのセキュリティパッチや不具合修正パッチをまとめた「Service Pack(サービスパック、SP)」や「Update」が提供されている。もちろん同社は、最新のService Pack/Updateを適用するように推奨している。
重要なのは、各Service Pack/Updateの適用状況によって、Visual Studioのサポート期限が左右されることだ。最新のService Pack/Updateを適用していないと、前述した各製品のサポート期限より早い時期にサポートが終わってしまうのだ。具体例を以下に記す。
「サポート ライフサイクル ポリシーに関する FAQ - Microsoft 開発者ツール」によれば、新たなService Pack/Updateがリリースされると、その前のService Pack/Update(未適用の場合を含む)はその1年後にサポートが終了する*1とのことだ。つまり、最新のService Pack/Updateはリリース後、遅くとも1年以内に適用しなければならない。
*1 もし製品自体のサポート期限の方が早い場合は、適用済みのService Pack/Updateレベルに関係なく、製品の方で決まっている期限でサポートが終了する。また、2世代以上古いService Pack/Updateが適用済みの場合、最新版のリリースから1年を待たずに、新たにリリースされたセキュリティパッチや不具合パッチが適用できなくなることもある。
Visual StudioのService Pack/Updateはいずれもオンラインで適用できる。手動で適用するには、以下の「関連リンク」に記したマイクロソフトの各Webページからオフラインインストーラをダウンロードしていただきたい(執筆時点で最新のService Pack/Updateを掲載している)。
■関連リンク
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