クラウドプロバイダーのアイネットとドローン撮影ソリューションを展開するトライポッドワークスが、共同でドローンのIoTプラットフォーム事業に参入する。2016年10月より順次サービスを開始する。
アイネットとトライポッドワークスは2016年9月7日、ドローンのIoT(Internet of Things)プラットフォーム事業で提携すると発表。アイネットが展開する企業向けクラウドサービス「Dream Cloud」を軸にしたクラウドデータセンターインフラのノウハウと、トライポッドワークスが持つドローンに関する知見と映像ソリューションを融合してサービスを提供する。
ドローンは近い将来、人手による操縦から自動運航が可能になると考えられ、これまでなかった新たなビジネスが多数生まれると期待されている。例えば、ドローンのIoT化によって「低高度空間のデータ化」を図ること。これまで航空機や人工衛星などを使った高高度からのセンシング技術はあったものの、低高度でのセンシング技術はなかったという。こういった取り組みを加速させ、かつ新たな事業の発掘や推進も支援するのが狙いだ。
事業の柱は、「映像ソリューション」「ドローン・データセンター」「ドローンコード開発センターの設立」の3分野。
映像ソリューション分野では、建築現場や学校、スポーツ関係者などに対して、ドローンの空撮映像を使った4K画質の映像制作サービスを提供。それに伴い、高い空撮スキルを有するドローンパイロットをアイネット内で育成する事業も展開する。
ドローン・データセンター分野では、アイネットのクラウドサービス基盤「Next Generation EASY Cloud」を軸に、ドローンのフライトデータやセンシングデータを集約/蓄積して、データベース化。「観光需要に向けた名所旧跡映像のインタラクティブな再利用」など、蓄積したデータをビジネスシーンのニーズに応じて、さまざまな形で提供する。
また、ドローンの自動運航に向けた「ドローン・フライト・コントロール・センター(DFCC)」を設置する。ドローンの飛行データやGPSログなどの情報を一元的に取得し、ドローンの飛行ログ、位置情報、個別認識/認証などを常時監視するサービスを開始する。
ドローンコード開発センター分野では、ドローンのソフトウェア開発者向けOSS(オープンソースソフトウェア)プロジェクト「Dronecode(ドローンコード)」を推進する「ドローンコード開発センター」を設立。高度な空撮映像解析、ドローンの機体制御や自動航行、衝突回避といった航行管理アプリケーションをDronecodeベースで開発する。併せて、組み込み機器向けソフトウェア開発者を中心に、ドローンの高度な制御や事業化のための人材育成にも務める。
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